「ん?
僕が代わりに揉もうか?」
僕はさり気なく笑う。
すると蜜柑ちゃんが涙を浮かべる。
「一先輩ひどいです……
みゆき先輩助けてください!」
「私が揉むの?」
「みゆき先輩まで……」
蜜柑ちゃんは、がっくりと肩を落とす。
「はぁ。
仕方がないなぁ……
葉月先輩、そろそろ胸を揉むのをやめてあげてください」
「ダメだよ。
一君。
揉むのをやめたらそこで試合終了だよ?
この感触、やめられないとまらない。
さぁ、一君も揉むのよ!」
「揉めば、僕の人生が終わります」
「いいのよ?揉んでも……?」
葉月先輩が、誘惑の目で僕を見つめる。
「それは、先輩が決めることじゃないでしょう?」
「じゃ、蜜柑ちゃんがいいって言えば揉むの?」
う……
口の勝負では女の人には勝てない。
僕は静かに、川名さんの方を見た。
「それ以上、蜜柑ちゃんをいじめるのなら先輩の胸をもみますよ?」
「え?」
「先輩も胸が大きそうですよね?」
葉月先輩が、一歩下がる。
でも、川名さんは言葉を続ける。
「先輩の胸、柔らかそうです。
一さん、胸が柔らかいお姉さんは好きですか?」
「へ?」
「好きみたいですよ。
一さんの目がそう言っています。
揉まれますよ?揉みますよ?揉ませますよ?」
葉月先輩の手が止まる。
「さぁ、一さん。
行くのです」
「いや、それはちょっと流石に……」
僕も一歩下がる。
そして、蜜柑ちゃんはそそくさと僕の後ろに隠れる。
「……一さんバリアです」
蜜柑ちゃんが、そう言って涙目で葉月先輩の方を見る。
「んー。
仕方がない。
一君に胸を揉まれよう」
「え?」
僕は、思わず声を上げる。
「それで、一君を貰おう」
「え?」
川名さんも声を上げる。
「一君を私が貰って一番困るのは誰だろうねー?」
そうして、葉月先輩の反撃がはじまる。