目覚ましが鳴る……
誰もいない部屋にその音が鳴り響く……
僕は、手探りで柔らかい感触を手で鷲掴みにする。
「あと5分……」
僕は、誰もいない部屋で呟く。
「ダメです」
女の子の声が聞こえる。
「お願いあとちょっとでいいから……」
僕は、そう言ってその柔らかいモノに力を入れる。
「ダメですよ……」
なんだろう。
この柔らかい感触気持ちいい。
「みさきー。
斎藤君を起こすのにいつまで……」
聞き覚えのある声が、耳に入る。
この声、宮崎さん?
僕は、ゆっくりと目を開ける。
モミモミと僕は柔らかい感触を手で感じる。
「うわ……」
葉月先輩が、目を丸くさせて俺の方を見ている。
俺は、柔らかい感触の主を目で確かめた。
川名さんだった。
「一先輩、大胆ですね」
蜜柑ちゃんまで、俺の部屋に入って来る。
そうだった。
昨日の夜、練習をするために全員、僕の家に泊めたんだった……
自慢じゃないけど、僕の家には防音設備がある。
なので、バンドの練習をしても近所の迷惑にはならない。
そして、それよりも問題なのが1つある。
それは、目の前の川名さん。
そして、俺が触れているもの……
それは、川名さんの胸。
「あ、これは……
その……」
俺は、川名さんの胸から手を放す。
「5分も揉まれなくてよかったです……」
「あの……
ごめんなさい」
「気にしなくていいです。
寝ぼけていたんですから……」
川名さんが、笑う。
怒っていない感じだけど逆にそれが怖い。
「斎藤君、セクハラと言うか強制わいせつ罪で逮捕しちゃうぞ」
宮崎さんが、そう言って僕の鼻をつつく。
「ご、ごめんなさい……」
僕は、布団を顔まで被った。
「こら、起きなさい!」
葉月先輩が、僕から布団を剥がす。
「ご飯出来てますよー」
川名さんが、そう言って笑うと僕の部屋を出た。
蜜柑ちゃんと葉月先輩も一緒に部屋を出た。
宮崎さんと僕だけが、部屋に残される。
「あとで謝っておきなさいよ」
「え?」
「みさきによ。
胸を揉んだでしょ?」
「……うん」
「だったら、謝らないと……」
「そうだね」
僕の顔が、真っ赤になる。
「貴方って不器用なのか器用なのかわからないわね」
宮崎さんは、クスリと笑うと僕の部屋を出た。
僕も部屋を出て下に降りよう。
リビングに向かうと3人の可愛い女の子が、囲っている。
なんか、こういうのって幸せだな。
僕は、その幸せを感じながら朝食を済ませた。
今日は、突撃ライブの日だ。
「みんな、今日は、頑張ろうね!」
僕が、そう言うとみんな頷いた。