ジンクス∞漁猫~第五章:僕のために10 | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法

 目覚ましが鳴る……
 誰もいない部屋にその音が鳴り響く……
 僕は、手探りで柔らかい感触を手で鷲掴みにする。
「あと5分……」
 僕は、誰もいない部屋で呟く。
「ダメです」
 女の子の声が聞こえる。
「お願いあとちょっとでいいから……」
 僕は、そう言ってその柔らかいモノに力を入れる。
「ダメですよ……」
 なんだろう。
 この柔らかい感触気持ちいい。
「みさきー。
 斎藤君を起こすのにいつまで……」
 聞き覚えのある声が、耳に入る。
 この声、宮崎さん?
 僕は、ゆっくりと目を開ける。
 モミモミと僕は柔らかい感触を手で感じる。
「うわ……」
 葉月先輩が、目を丸くさせて俺の方を見ている。
 俺は、柔らかい感触の主を目で確かめた。
 川名さんだった。
「一先輩、大胆ですね」
 蜜柑ちゃんまで、俺の部屋に入って来る。
 そうだった。
 昨日の夜、練習をするために全員、僕の家に泊めたんだった……
 自慢じゃないけど、僕の家には防音設備がある。
 なので、バンドの練習をしても近所の迷惑にはならない。
 そして、それよりも問題なのが1つある。
 それは、目の前の川名さん。
 そして、俺が触れているもの……
 それは、川名さんの胸。
「あ、これは……
 その……」
 俺は、川名さんの胸から手を放す。
「5分も揉まれなくてよかったです……」
「あの……
 ごめんなさい」
「気にしなくていいです。
 寝ぼけていたんですから……」
 川名さんが、笑う。
 怒っていない感じだけど逆にそれが怖い。
「斎藤君、セクハラと言うか強制わいせつ罪で逮捕しちゃうぞ」
 宮崎さんが、そう言って僕の鼻をつつく。
「ご、ごめんなさい……」
 僕は、布団を顔まで被った。
「こら、起きなさい!」
 葉月先輩が、僕から布団を剥がす。
「ご飯出来てますよー」
 川名さんが、そう言って笑うと僕の部屋を出た。
 蜜柑ちゃんと葉月先輩も一緒に部屋を出た。
 宮崎さんと僕だけが、部屋に残される。
「あとで謝っておきなさいよ」
「え?」
「みさきによ。
 胸を揉んだでしょ?」
「……うん」
「だったら、謝らないと……」
「そうだね」
 僕の顔が、真っ赤になる。
「貴方って不器用なのか器用なのかわからないわね」
 宮崎さんは、クスリと笑うと僕の部屋を出た。
 僕も部屋を出て下に降りよう。
 リビングに向かうと3人の可愛い女の子が、囲っている。
 なんか、こういうのって幸せだな。
 僕は、その幸せを感じながら朝食を済ませた。
 今日は、突撃ライブの日だ。
「みんな、今日は、頑張ろうね!」
 僕が、そう言うとみんな頷いた。