南さん | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法

朝、ゆっくりと体を起こし時計を見る。
朝の10時……
体がだるい……
昨日、福田さんに言われた言葉が頭に残る。


『「杉山??
 杉山太郎の事を言っているのか?
 アイツならもうとっくに警察を辞めているよ」』


辞めたのに、どうやって俺を捕まえる気なのだろう……
そんな事を考えていると南さんから電話がかかって来ました。


「猫さんおはよう
 もしかして、寝てた?」

「いえ、今起きた所です」

「そうか、よかった」

「お久しぶりです」

「もしかして、由香と一緒に居る?」

「いえ、由香さんとは一緒じゃないです」

「そうか……」

「どうしたんですか?」

「いや、何でもない
 少し、話をしたいんだけどいいかな?」

「はい、構いませんが……」

「じゃ、いつものマクドの場所で……」


俺は、枚方のマクドに向かいました。
するといつもの場所で、南さんが退屈そうに携帯を弄っていました。

「南さん」

「あ、猫さん
 話があるんだけどいいかな?」

「はい」

「由香が、店を辞めた……」

「え?」

「何故だか知らない?」

「わかりません……」

「そっかー
 猫さんなら、何か知っていると思ったんだけど……」

「俺が??」

「うん」

「……猫さんさ
 由香の気持ち知ってる??」

「由香さんの気持ちですか?」

「うん」

「わかんないです
 まぁ、こっちは、いつも元気をもらっていますが……」

「猫さんって、見た目どおり鈍いよね」

「え?」

「なんぜもない」


南さんは、そう言うと席を立った。


「ごめん、急用が出たから帰るわ」


そして、俺は、ぽつりとその場に残されました。

由香さん、店を辞めちゃったのか……
メールをしても返事が来ませんし……
何かあったのでしょうか??


※この物語は、フィクションです。
 実在する人物・団体とは、一切関係ありません。