福田さん | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法


今日は、俺から由香さんに電話をかけました。
気になる事が一つあったので……
いつものマクドナルドで14時に待ち合わせ。

由香さんは、いつもよりきっちりとメイクして、俺の前に現れた。

「猫さん御待たせ……」

「や、やぁ……」

「話って何かな?」

「うん……
 その前に、場所を変えようか?」

「いいけど……
 どうしたの?
 顔が怖いよ」


俺は、由香さんの手を握りしめるとマクドを出た。
そして、向かった先は、徒歩でチャペルココナッツ。


「え?猫さん?
 え?」


由香さんは、戸惑っていた。
そりゃ、戸惑うと思う。
でも、俺は真剣でした。


「ここまで、あとをつけてくるって事は……
 刑事さんですよね?」


俺は、そう言うと後ろを向きました。
すると、そこに居たのは福田さんだった。


「まさかとはと思ったが……
 ばれていたか……??
 いつからだ?」

「そんなの、ずっと前からに決まってるじゃない
 最初、ストーカーかと思ってたもん」

「ストーカー?
 はて、私達がマークしていたのは、猫君だけだが……」

「嘘だ!
 だって、私ずっと杉山って人に跡をつけられていたもん!」

「杉山??
 杉山太郎の事を言っているのか?
 アイツならもうとっくに警察を辞めているよ」

「え?」

「さて、尾行がばれたんじゃ仕方が無い……
 俺は、帰らせて頂くよ」


福田さんは、そう言うとその場を去って行きました。


「杉山が警察を辞めた?」

「どういう事だろうね……」

「……」

「それよりどうするの?
 ここまで連れてきたの猫さんだよね?」

「あ、えっと……」

「はぁ……
 マクドに戻ろう……」


由香さんは、そう言うと苦笑いを浮かべながら俺の手を引っ張りました。
ごめんね、由香さん……

※この物語は、フィクションです。
 実在する人物・団体とは、一切関係ありません。