お泊りデート | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法

「おはよう猫さん」


俺は、由香さんの声で目を覚ましました。
時計の針を見ると8時30分


「あれ、時計の針が戻ってる?」

「違うよ、日が変わってるの」

「……まじで?」

「うん」


ぎゅるるるる……

俺のお腹の音が鳴る……


「お腹すいたね……」

「何か食べる?」

「猫さんが作ってくれるの?」

「食パンでいいなら……」

「……私が作るよ」


由香さんは、そう言って体を起こしました。
そして、俺の部屋を開けると……
母親が立っていました。


「猫!いつまで寝ているの?」

「あ……
 母さん」

「女の子が部屋に居るから黙っていたけど……
 そろそろ起きなさい!」

「あ、お母様、おはようございます」

「おはよう」


母親は、満面の笑顔で挨拶をした。


「貴方、猫の彼女?」

「そうです」


由香さんは、躊躇いなく答えました。


「猫をよろしくね
 はい、これ朝ご飯……」


母親は、そう言うと朝食の入ったトレイを由香さんに渡しました。
そして、ドアが再び閉まる。


「猫さんの事、任されちゃった」


由香さんは、照れ臭そうに笑いました。


「いいんですか?
 俺の彼女だなんて言って……
 完全に信じてるよ?あれ……」

「一度会ったら友達で、一晩寝たら彼女さー♪
 って歌あったじゃない」

「なんか、違います……」

「これ食べたらさ……
 尾上さんのお見舞い行かない?」

「いいですね」


俺達は、朝食を済ませると由香さんの車に乗りました。
そして、向かいました
今も眠りつづける、尾上さんの病室へ……


※この物語は、フィクションです。
実在する人物・団体とは、一切関係ありません。