まおうのえにっき:十一話 | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法

万桜は、思った・・・。

【帰宅部】はクラブではないと・・・。

しかし、入りたいクラブ等なかった。


令がぼそりと呟いた。


『こんな田舎の高校だから、お前みたいな転校生は珍しい・・・。

同級生どころか学校中の奴等がお前の事を知っているぞ・・・

ほら、あそこを見てみろ・・・』


万桜は、令が指す場所を見てみると、そこには4人グループの

女の子らが、万桜の様子を伺うようにこっちを見てはヒソヒソと

話しており、万桜の能力で話の内容を伺ってみると、どうやら

「チアリーダ部」のメンバーに誘おうとしているような内容だった。


万桜は軽くため息をついた後、令の方にか顔を向けた。


『何処かのクラブに決めないと、あー言った連中の勧誘が鬱陶

しくなってくるぞ・・・』


『だからね、万桜さんも、【帰宅部】に入ろうよ!』


『しかし・・・帰宅部はクラブと言えないのでは??』


『ほら、だから言ったろ?【帰宅部】ってクラブ名はおかしいって・・・』


令がそう言うと、愛衣は暗い顔をして、俯いてしまった。


『コイツが言っている、【帰宅部】と言うのは、本人曰く物騒なこの町

の、パトロールとか、色んな場所の発見、山菜とりに天体観察等、

帰り道のふとしたモノを発見するクラブだそうだ。』


『へぇ・・・少し、面白そう・・・』


万桜がそう言うと、愛衣の沈んだ顔は、見る見る笑顔に変っていき

最後にはニコニコ顔になっていた。


万桜は、鳴いたカラスが、今笑う。まさにそれにピッタリだとそう実感した。


『よし!あと一人!』


愛衣が言った、その言葉に万桜が首を傾けていると、令がこう言った。


『この学校の校則では、部員は4人居ないとクラブとして認められないのだ・・・』