まおうのえにっき:十二話 | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法

万桜は、内心楽しくて仕方が無かった。

なぜなら、今まで学校生活や部活等はなかったからだ・・・

万桜も一応、魔界の学校を大学まで卒業したものの、一族の中

では下の下だった為、娯楽なんてモノを楽しむ時間なんてなかった。


『なら、明日、知り合いの弟さんが、この学校に転入してくるらしいから

声を掛けておこうか??』


だから、万桜は、思わずそう言ってしまっていた。


『本当??』


それを聞いた愛衣は、喜ぶ。

愛衣の喜ぶ姿を見て零は安堵のため息をする。


もしかしたら、万桜は人間のそんな生活に憧れを抱いていたのかも知れない・・・。


しかし、夜が来た。

何処の世界でも、夜は来る。

殺風景の万桜の部屋に携帯が鳴る。


着信は万桜の兄からだった。

電話は一瞬、それだけを言って電話は切れた。


『今から○×に迎え、奴等が現れた。

 座標はメールで送る。』


淡々とした口調。

万桜は忘れてはならない・・・

自分が何故、こっちの世界に来たのかを・・・。

自分が何故、こっちの世界に来るのか選ばれた事を・・・。