それから流れた時間は思ったより早く… 光弓の如く過ぎていった。 あれから橘さんは 会社を辞めて、実家の方へ帰ったらしい 笹山さんとは挨拶こそはするけど 会話らしい会話はしていない… 本当は彼女が助かって嬉しいはずなのに どこか寂しい感じがする… 正しい答えなんて何もなく、 やっぱり、そんなトコなのか… と無理やり思う事で納得するしかなかった… 今日も何もなかったように時は流れ… 時間だけが過ぎていった。 でも、きっかけなんて、 最初はホンの糸屑程度しかなかったんだ… ある日、俺は上司に言われ、 転勤を命じられた…。 場所は兵庫の田舎の方だった。 断る理由もなく、 リセットしたい自分を切り換える為、 快く承諾した。 兵庫の転勤場所地に電車で向っていた 目的地につくとそこは激しい雨。 大阪は晴れていたので傘など 持ってはいなかった 慣れない地でのはげしい雨 田舎なモノでコンビニなんてない。 すると、あの時のあのタイミングで 女性の声が俺の耳の中で響いた。 「よろしければ、途中まで、入っていかれますか?」 懐かしいあの香と共に… |