モテない男~5話 | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法

異性には好かれもしないし
仕事以外の話をした事がない…
男が女にぶたれる
ドラマのワンシーンのような事でさえ羨ましく感じる…

それが、モテない男…
のはずだった…
だけど、何故だろう嬉しくない…
アッパーだからか…?

意識が回復したのは病院のベットの上だった…

白い天井に白い布団…

『見舞いはなし…
って、当たり前か…』

少しだけ寂しくなった。
彼女に好かれているとは思っていない…
嫌われていたのか
からかわれていたのか…
それさえも、分からない…
もしかしたら、認めたくないのかもしれない…

『何泣いてるの?』

声の方に目をやると、
笹山さんが、座っていた。

『あんた、恭子から何にも聞いてヘンかってんな…』

『……?』

『恭子な…
白血病やってん…』

『え…?』

『んっでな…
脊椎移植をしな助からへん言われてな…
適合者が見つからな長くない…
言われてなー』

『…』

『でも、ある時、脊椎バンクから適合者が見つかってん…』

『そうですか…
よかった…』

『その人な…
恭子のあまりにも誓い場所におったから、
お医者さん、恭子にその人の事を喋ってもうてん…』
『……へぇ~』

『その日から、恭子はその人の
事を探して探して探しまくってん…』

『見つかったのですか?』

『ある雨の日な…』

『……』

『本人を見つけた!って思った時、
突然の大雨で傘が無くて困っていたそうなんや…』

『……そうですか。』

『アンタの事やで?』

『きっと、他人の空似ですよ…』

『そうか…』

笹山さんはそう言い残すと
席を立った…

『俺の脊椎を調べて貰う事って出来ますか…?』

『え…?』

笹山さんの悲しい顔に負けてつい口走ってしまった…
そして、それは止まらなかった…

『空似でも、もしかしたら合うかもしれませんし…
なんとなく合う気がするんです。』
『ありがとうな…』

笹山さんは何処かほっとした顔で

小走りで医者を呼びに行った…。