何度も、何度も繰り返し見る夢。
それは、俺が6歳の頃、病気で入院していた頃の夢。
俺は、美代を背負っていた。
美代は白血病で入院していた。
そして、長くないことを俺は知っていた。
『ねぇ、重くない??』
『重くない…』
『ねぇ、本当にいいの?』
『何が???』
『私をお嫁さんにして…』
『うん。』
『本当に???』
『うん。』
俺達は、婚約していた。
と言っても、子供がするような簡単なものだった。
俺は何も知らなかった。
死と言うものを…
俺は何も知らなかった。
俺の軽率な行為で彼女を失ってしまった事を…
・・・・・
・・・
・・
・
俺が目を覚ますと、手術室の前に座り込んでいた。
『夢か…
銘さん、死なないでくれよ…』
俺は【手術中】と点灯するランプを見ながら
つぶやいた。