ポリープはどこに消えた?~32話 | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法

時が過ぎるのは早いものだ…

何もない世界…
恐怖・孤独も感じない世界…

目の前に小さな箱があった…

白い箱の中に彼女がいつもの優しい笑顔で彼方を見つめた…

『彼方君にプレゼントを持って来たよ…』

嬉しいはずなのになぜか涙が彼方の頬から溢れた…

『泣かないで…
ずっと側にいるから…』

そう、言うと、
彼女は優しく彼方を抱き締めた…

彼方は声が出ない涙を流しながら
彼女の胸の中に体を埋めていった…
彼方が目を覚ました時、
彼女は側にいなかった…

見慣れ始めた白い天井に、
堅いベット…
彼方は涙で腫れたのだろう
瞳から涙が零れた…

知らない筈の彼女の温もりを

肌で感じながら…

次の日、彼方は緊急手術をした…
手術は成功した…
その後…
病室の窓からあの広場に目をやっても

彼女の姿を見る事は一度も無かった…

退院する時、看護婦に聞いてみたが
答えてはくれなかった…

そして、彼方は普通の大学生に戻った…

彼女の存在を胸に止めながら…