千春と別れ、自分の病室に戻った時、
懐かしい顔がそこに居た。
『よ♪お久し振り』
優心は、夏休み明けに会う、クラスメイトの様な
感じで挨拶をしてきた。
『久し振り…
元気にしてたか?』
『あはは・・・
まぁまぁかな・・・』
優心は優しく微笑み、俺の近くまで顔を近づけてきた。
『どうして、教えてくれなかったのかな?
お姉さん、そんなに頼りない??』
その言葉を放った、優心の顔はどこか寂しげだった。
『俺、癌になっちゃいました♪
あはははは♪』
優心は、少し剥れた様子で、
『その様子じゃ、大丈夫みたいね。
とりあえず、よかったと言うべきかな??』
『・・・』
『お姉さんより、早く死ぬなんて許さないからね?』
『俺より少し前に生まれただけじゃん・・・』
俺は少し、笑いがこみ上げてきた。
その姿を見て、優心が笑った。
何度も、何度も何度も繰り返してきた
やり取りが、何故か懐かしい気がした。