何を言っていいのかわからない空気。
いっそうのこと、
「君が退院するまで、入院するよ」
と、ウケるかどうかわからないギャグを
言ってしまえばよかったと後から後悔する。
ここは、診療所も兼ねたホスピタル病院。
すぐに治る病気で入院する奴も居れば、
そして、99.9%治らない病気の奴も居る。
ここでは、俺みたいに治るかも知れない奴なんて
まだまだ、いい方だ…
俺が黙っていると千春の方が先に口を開いた。
『お腹すきましたねぇ~』
『え?』
『彼方さんは、朝何を食べましたか??』
『俺は、トーストと紅茶を…』
『いいなぁ・・・』
『千春さんは何を食べたのですか?』
『ご飯とお魚と味噌汁です。』
『え?俺より食べる量が多いじゃないですか??』
『彼方さん知ってますか?
お腹がすくって事はいい事なのです。
食べれる事はいいことなのです。
なので、おやつにしましょう!!』
千春はそういうと、どこから出したのか
バスケットから、手作りらしきアップルパイを取り出した。