彼女は小さく笑うと、ゆっくり目を閉じ、
再び沈黙が流れた。
彼方 『・・・』
千春 『・・・』
千春 『今日は、ありがとうございました。
私は、そろそろ部屋に戻りますね。』
彼方 『あ、はい。』
彼女の声で、我に返ると、
空が赤くなっていた。
千春 『よろしければ、
また、ここに遊びに来てくださいね・・・』
彼方 『あ、はい。
どうせ、暇なのでたまに、ブラつきにきます。』
千春はニッコリ笑い、軽く会釈をすると、
病院の中に戻っていった。
おしとやかで綺麗な人だったな…
夕日に消えていく彼女の背中を見つめながら
彼方は心の中で感じていた。