自動販売機の日常 | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法

ゆらゆらと

ぐらぐらと

トラックの荷台が揺れる。


僕は今日・・・


旅に出た。


気楽な一人旅だ。


その場所には誰も居ない。


誰も居ないその場所で、


じっと待つんだ・・・


僕を必要としてくれる人を・・・


見つけるんだ・・・


僕の居場所を。


ガタン!


大きな音が聞こえる。


到着だ・・・


大きなお兄さんが二人。

僕を抱えて、トラックから落とした。


『よいしょ。』


その声と共に僕の体は中に浮いた。


ガシャン。


その音と共に僕の体は地面に固定された。

お兄さんは僕が逃げないように足を地面に固定する。


【ボクハ、ニゲナイノニ・・・】


心の中で僕は、思った。

僕は逃げることは出来ない。


お兄さん達は僕の足を固定すると、

僕にそれ以上、手を貸すことなく

トラックに乗り、遠い場所に走っていった・・・


【マタ、ヒトリボッチ・・・】


僕は、ゆっくりと目を閉じ

時間が過ぎるのを待った・・・


小さな足音が聞こえる・・・


【オニイサンカナ?】


僕は、目を開けた。

小さな男の子が一人。

ベソを掻きながら、そこに立っていた。


『お母さんの好きなオレンジジュース下さい。』


僕は何も出来ない。


男の子は僕の体に異物を入れた。

そして、ジャンプして僕のお腹叩いた。


【イタイ】


僕は気持ち悪くなり、
体の中に溜まっていたモノを出してしまった。


『ありがとう』


【アリガトウ?】


こんなもので、喜ぶなんて人間って変だな・・・
男の子の笑顔が少し眩しい・・・


そっか・・・

この子が、僕の始めてのお客さんなんだ・・・


ここが、僕の居場所なんだ・・・


見つけた。


僕の場所・・・