少年と少女:2話 | ニート脱出大作戦β

ニート脱出大作戦β

~ニートから抜け出す108の方法

少年が目を覚ますと
そこには見覚えの無い天上が見えた。
体には綺麗な白い包帯・・・
体の下には白いシーツに柔らかいベット
体の上には白い布団。
見たことはある・・・
だけど、使ったことがなかったモノだった・・・
少年は状況がわからず、混乱していると

『もう、意識は戻った???』

と声を掛けられた。
少年はその声の主の方に目をやると先ほどの少女だった。
少年は一瞬驚いたが、あまりにも心配そうな目で見られていたので、
だまって「うん」と頷いた。
それを確認した少女は安心した様子で

『お腹空いているでしょ?何か作るね・・・』

と言い残し部屋を出た・・・

少年は部屋の窓に備え付けてある窓から逃げ出そうかと思ったが、
思うように体が動かないので、それは出来なかった。
窓の外から流れてくる心地良い風に身を寄せながら、
今は何も考えず、ただ景色を眺めているしか出来なかった・・・
10分程過ぎた頃だろうか・・・
少年の鼻に今までに嗅いだ事の無い美味しそうな匂いを感じた。
その匂いを嗅いだ途端に少年のお腹は元気よくなりだした。
それから暫くすると、部屋をノックする音が聞こえた後、
先ほどの少女がスープを持って少年の部屋に入ってきた。
少女は少年が横たわるベットの横に来ると、
ベットの横にある椅子に腰を掛けて、
スプーンでスープを一杯すくうと優しく息を吹きかけ、
それを少年の口元に持っていった。