FBでもシェアさせて頂きましたが、このほど
鈴木まもる先生 の 『あるヘラジカの物語』 が
「親子で読んでほしい絵本大賞」の一位(大賞) に
先生もお書きになっていますが、この賞は
「JPIC(出版文化産業振興財団)が、司書さん、読み聞かせ
ボランティアの皆さんなど、子供に絵本を手渡す経験が豊富な
JRAC(JPICの読書アドバイザーをまとめる団体)会員が、
『親子でもっと絵本を楽しんでほしい!』
『いい絵本を親子にとどけたい!』との思いを込めて創設した賞」
いわば
「読み聞かせの達人が選ぶ」賞 とのこと
私は達人ではないけれど、もちろん選びたい絵本です
ただ、私は日頃、ご高齢の皆さまや、うんと小さいひとたちを
対象とすることが多いので、実際に読むより講座で紹介したほうが
多かったのですが・・・
いつも、絵本の紹介と共に
お描きになるまでのエピソードやアラスカへの取材旅行のことなど
まもる先生のブログで仕入れた(!)情報もご紹介しています
さて、 今の時期(3月)は、次の2冊もしばしばご紹介
まず・・・
タイトルからお分かりの通り、福島第一原子力発電所の事故による
影響を、先生ご自身を「おじいさん」に投影させて描かれています。
“帯” には「おじいさんの心配は みんなの心配です」 とあります
それでも、単に憂えるだけでなく、被災地の復興、自然の回復、
そして 「すべての生命の強さを願って」 描かれたと
“あとがき”に書かれています。
そして・・・
これは、震災で道路も鉄道線路もズタズタになり、停電も続く中
輸送はもちろん重機を動かすための、そして暖を取るための
「燃料」を運ぶために、ディーゼル機関車 を走らせた実話をもとに
作られました。
丁寧な取材をもとに文を書かれた すとうあさえ さんは、あとがきに
「JR貨物(日本貨物鉄道株式会社)の方の
『物が届くことは、当たり前。 私たちは縁の下の力持ちなんです』
という言葉が心にしみました。どんなときも、黙々と着実に自分たち
の仕事をする――。強い使命感を感じました。」
と書かれています。
どちらも、震災に関連して知っておきたいこと、語り継ぎたい事柄が
盛り込まれていますが、絵本と言う形だからこそ、そこから私たちは
単なる「知識」を得るだけでなく、自然への畏怖・生命の力強さと
尊さ・人の思いの強さ、さらには希望というものを、穏やかに
かつ確実に得ていくのだと確信します。
お心を尽くして絵本を世に送り出してくださっている先生方に
あらためて・・・ありがとうございます
このコロナ禍の中でも、「黙々と着実に自分たちの仕事をする」と
頑張っておいでの皆さまがたくさんいらっしゃいます。
今、自分は何をすべきか、何をしてはいけないのか、私も
よくわきまえて行動したいと強く思います。
単なる「自粛」一辺倒ではなく、自分が心身ともに元気でいられるよう
そして、どなたかに 「あ、ちょっと元気になったかも」 と
思って頂けるようなことを、出来る範囲でしていきたいものです。
皆さま、是非お手に取ってお読みください。
ご家族一緒に、ご友人同士で、もちろんお一人でじっくりと
絵本を開くと、新しい世界が拡がります
〈付け足し〉
『・・・デーデ』の裏見返しの路線図にある“根岸”が、私の故郷です。
たくさん描かれている「タンク」 懐かしいです。 どこかに
「根岸駅常備」と描かれてはいないかと、虫眼鏡で探しました