部屋に入ると

父親はちょっと、困ったように凛を見る

 

「何?今度の日曜は小倉記念なんでしょ

もう、お金ないんだよね?

もう、夏休みに入るから

お風呂、毎日行かなくても大丈夫なんだ

2千円だったらいけるでしょ?」

 

そう言って財布から風呂代にしてるお金をだして

2千円わたす

父親は嬉しそうにそれを受け取りながら

 

「あ、いや、ありがたいけど

えっと、そうじゃなくって

お前、湊、知ってるだろ?」

 

「ああ、半年前に入った男の子でしょ

私と同じくらい

湊君、お母さんが病気だからって

仕事、ガンガン入れてるでしょ

この間、商店街で会ったら、めちゃくちゃ

疲れてる感じだった」

 

「ああ、そう、最近一か月くらい休んでないわ」

 

「湊君がどうかしたの?

あそこも大変そうだよね~

だからと言って、力にはなれないよ

うちもカツカツだしね~」