昇君は後ろから典文君をつつきながら

 

「ねぇ、愛子はそんな二人の話したことも

全くなかったよ

もう、帰ろう」

 

一日バイトを休めば、それだけで

お金に困る生活をしている昇君

愛子さんのことは気になりますが

バイトを休むことも気になります

 

「うん。そうだね

じゃ、最後に一つだけ

その二人は今どうなってるの?

会える?

話聞ける?」

 

すると酒屋の兄ちゃんは

 

「そいつら、今は東京で弁護士事務所やってて

めちゃくちゃすごいらしい」

 

「二人で?」

 

「そう、結婚したんだよ

同窓会に帰って来た時に

名刺もらったよ

見るか?」

 

昇君は

 

「そんなすごいことになってて

弁護士さんにまでなってるのなら

愛子が話してくれたはずだよ

聞いたことないし、もう、関係ないよ

帰ろ!」

 

そう言われて名刺だけ見せてもらいました

 

『保品法律事務所

    保品勇作』

スマホに撮らせてもらって、とりあえずは

東京に帰ることにしました