やって来たお兄さんのお嫁さんは

心配そうにその話を聞いて

 

「学年が違うとあまり交流はないから

私が中学の時は愛子さんのことも

知らなかったし、二つ上の先輩のことで

知っていることと言えば・・・」

 

そう言って、真剣に思い出そうと

してくれています

そして、首を振りながら

 

「本当に、愛子さんに関係することは

全く思い出せません

その2月28日って日付にも心当たりは

ないです

三年に一人も知り合いはいないし

その学年で印象に残っていることは

この県で一番難しい高校に

中学始まって以来二人合格したってことぐらい

今でもうちらの中学から

あの高校に合格できる生徒は

ほとんどいないくらいだから

それは噂になった気がする

友達にその学年にお兄ちゃんがいて

『俺の兄ちゃんと同じクラス!

結構仲いいんだぜ』って自慢してた子がいた

そのくらいしか二年上のことは思い出も何もない」

 

昇君はがっかりして話を聞いていました

典文君もそれしか話がないんじゃ

調べようがないなぁ

それでも

 

「その二人って男の子?」

 

何とか何か聞き出せないかと粘ってみます