「結構です!

 

あそこって、前に

サバ缶スーパーで働いていた

建造さんって人が立ち上げた幼児教室だから

安くしてもらってるの」

 

「え~、スーパーなんかで働いていた人が

やってる英才教育塾って

それ、騙しでしょう!

あの値段はぼったくりじゃないですか?!」

 

このスーパーを底辺扱いした言葉に

わからんでもないと思いながらも

省吾君をびっくりさせたくなる

 

「建造さんって人は

ハーバードを出てるのよ」

 

それだけで省吾君は驚いて

腰を抜かしそうになっていました

 

「なんでまた、サバ缶スーパーなんかに・・・」

 

「もう、ちょっと、世の中を階層で考えすぎ」

 

そうあきれると

自分は一流大学を出て、ここに来る前は

大手企業でしのぎを削っていたこと

ニューヨークでバリバリ仕事をしていたこと

自慢に取られても困るから

話さなかった経歴を話しました

 

すると、いつだって焦点がどっか行ってる

省吾君は大喜び

 

「それなら、母さんもきっと反対しないし

僕の事務所を二人でやれば

お父さんの期待通りに大きくできるね」