「ねぇ、その、佳苗さんになら

わかるんじゃない

高校の時からの友達なんでしょ」

 

澄香さんが言うと

昇君は

 

「あ、はいそうかもしれないけど

えっと~どうすれば・・・」

 

澄香さんは昇君からさっさとスマホをとって

 

「電話番号?!この中に入ってる?

佳苗さんの?」

 

「あ、ああ、あります

最初に会った時に、キャバ嬢の早苗さんは

僕の友人をたくさん紹介しろって

LINEを交換したんです

あ、僕にはそんな友人はいないから

一回も連絡したことないんですけど・・・」

 

澄香さんはすぐ、佳苗さんに通話!

何度目かにやっと眠そうな佳苗さんの声

 

「何?!うるさいなぁ!

ああ、昇君かぁ

どうした?愛子、見つかった?

愛子ったら

何であたしに直接連絡くれないの?

ずっと、既読にもならないよ!」

 

それで、澄香さんがテキパキ事情を話し

そのメモに心当たりはないかと聞くと

 

「全然知らないよ!

高校の頃はほとんどニコイチで一緒にいたけど

そんなメモの話は聞いたことないよ

中学時代なんじゃないかな?

ねぇ、愛子、本当に行方不明なの?

実家にも連絡してないの?

絶対おかしいよ~

男ができたとしても、うちには絶対に何か

言ってくるはずだもん

あの、そこの昇いますよね!

何とか探せって言っといてください」

 

中学時代・・・

昇君に聞いても、その頃の話は聞いたことないと言うし

こんなにぼうっとしてれば、聞いてても忘れてそうだし

友道さんもこれで、警察を動かすのは無理だと言うし

澄香さんだって光ちゃんがいるからそう動けません

真剣に探せそうなくらい、何のしがらみもないのは

昇君だけ!

でも、彼は全く当てにならないし・・・

 

「ねぇ、中学三年間なんでしょ

その中学三年間で愛子さんの地元でのことを

調べればいいんじゃない

僕、昇君と行ってみようか?

あ、その前にパソコンで調べてみよう

えっと、愛子さんの実家ってどこなの?」