バックヤードでの川北さんの叫びは

間違っているけれど

よくわかりました

川北さんがやっと手に入れた場所が

ここのレジのお局の位置なんです

 

それを聞いていた山吉さんはフィッシュ課に戻ると

 

「いつだって、人の悪口ばかり言って

レジで偉そうにしてるから

あの人の鼻をへし折ってやりたいって思っていたけど

もう、最後のあがきだよねえ

ここのレジがなくなったら

いったいどうするんだろう?」

 

すると、精肉のマネージャーがやって来て

 

「掃除、掃除!

掃除のおばちゃんなら、一生、仕事あるぞ

もう、大きい口はきけなくなるし

みんなに馬鹿にされながら、掃除して生きていくのさ」

 

確かにそうなんでしょうが

わびしい限りです

山吉さんだって、あの時に澤田君が現れていなければ

この仕事にしがみついて

子供もいない悲惨な人生が待っていたかもしれません

すると、麻生店長がふらっと入って来て

 

「村西さんは、サバ缶スーパーの違う店舗で

事務のバイト探してるから

そっちに行ってもらうよ

さっきの川北さんの言葉は

俺だって身につまされる話だよ」