本当に困った老害

澄香さんは、まったく信じられない

でも、あんな人がいれば

そうなってしまう店の雰囲気も

わかる気がします

そうなると、心配になってくるのは

忠秀君です

有名中学で東大進学率が高く

寮生活ですから

医者の子、政治家の子、弁護士の子

そんな金持ちの子供たちの中では

スクールカーストがあるんじゃないかしら?

忠秀君、大丈夫かしら?

心配になって建造さんに相談すると

 

「心配なことはまっすぐ聞いてみれば?

忠秀君は物事をちゃんと大人目線で考えられるから

母親ぶって心配するより

同じ立場で、家族だから心配だって目線で聞けばいい」

 

そう言われて、久しぶりに電話してみる

ラインの映像に現れた忠秀君は

随分、大人っぽくなっていて、少し泣けてくる

 

「ああ、そういうこと

澄香さん、ここは大丈夫だよ

だって、どの子も金持ちの家の子で

どの子も勉強に夢中

絶対に東大!ってやつが多いから

勉強での勝ち負けはゲーム並みにクラッシュするけど

健全だしね」

 

「そうなんだ、でも、そんな中で

医者の子供でも金持ちの子供でもない

忠秀君は友達とかできちゃってるのかな?」

 

ちょっと、恐る恐る聞いてみる

するとにやりと笑って

 

「僕の成績、そういえば知らないよね

ちょっと、待ってて送るから」