野崎と飲んだのは知っている
嫌な奴だ
バンド組んでた頃からの知り合いだけど
金に汚いし、そのダチって言うのが怪しい
行ってほしくはなかったけれど
最近は友達と飲むなんてめったになかったし
嫌々ながらも三千円渡して
「あんまりお金ないんだから
このくらいにしてよ」
そう言って送り出した
「それで、バカラ賭博に誘われたんだ」
「え!?」
何?賭博?
「行ったの?三千円なんかじゃ無理でしょ
いや、それよりも捕まるじゃない
何それ!!!」
「野崎ってしつこいだろ
知り合いがやってるから、千円でも全然かまわない
そういうからついて行ったんだ」
あ~ついて行くだろう
昇君はそんな人間だ
そこで負けたんだ・・・
いや、負けたどころじゃないのだろう
「そこで・・・・あっという間に
1500万円の金が溶けちゃって・・・」
「なんで三千円がそんなことになるのよ!」
「いや、最初は勝ちまくったんだ」
愛子さんは、そんなの素人でもわかる
いかさまじゃない!
そう叫びそうになったが黙って聞いてると
「臓器を売れって・・・」
最初から臓器目的じゃないの・・・