「一か月前、野崎と錦糸町で飲んだだろ?」

 

野崎と飲んだのは知っている

嫌な奴だ

バンド組んでた頃からの知り合いだけど

金に汚いし、そのダチって言うのが怪しい

行ってほしくはなかったけれど

最近は友達と飲むなんてめったになかったし

嫌々ながらも三千円渡して

 

「あんまりお金ないんだから

このくらいにしてよ」

 

そう言って送り出した

 

「それで、バカラ賭博に誘われたんだ」

 

「え!?」

 

何?賭博?

 

「行ったの?三千円なんかじゃ無理でしょ

いや、それよりも捕まるじゃない

何それ!!!」

 

「野崎ってしつこいだろ

知り合いがやってるから、千円でも全然かまわない

そういうからついて行ったんだ」

 

あ~ついて行くだろう

昇君はそんな人間だ

そこで負けたんだ・・・

いや、負けたどころじゃないのだろう

 

「そこで・・・・あっという間に

1500万円の金が溶けちゃって・・・」

 

「なんで三千円がそんなことになるのよ!」

 

「いや、最初は勝ちまくったんだ」

 

愛子さんは、そんなの素人でもわかる

いかさまじゃない!

そう叫びそうになったが黙って聞いてると

 

「臓器を売れって・・・」

 

最初から臓器目的じゃないの・・・