それからは有能な澄香の事

てきぱきと進めていき

葬儀の準備をした

秋子の残したささやかな荷物の中に

両親の住所もあった

もと、夫の連絡先もあった

果たしてどうすべきなんだろう

 

まずは忠秀君に自分のマンションの住所を送る

母親が亡くなったことを聞いて

ショックを受けてるだろうに

しっかりした文章ですぐに行きます

そう、返って来た

彼に会ってから決めよう

 

その日の夜

忠秀君は秋子の所へやってきた

そのやせ細った母親の様子を見て

ただただ、茫然としていた

そう、泣くにも泣けないほど突然の

ことだったのだ

彼が落ち着くのを待って

まず、忠秀君が父親を呼びたいかどうか

聞いてみた

 

「あ、たぶん、お父さんも来たいと思っている

そう、思います」

 

澄香は忠秀君が父親を少しも嫌っていない

そう気が付くと愕然としました

 

「ごめんなさい

本当に連絡を取っていいの?

これまでの秋子の話だと

困った時だけ、やってきてたんじゃない?

お金を無心に!」

 

忠秀君はにっこり笑って

 

「そうかもしれません

世間的には最悪なお父さんかもしれません

でも、母はそれを嫌だと思っていなかったし

むしろ、待っていたんです

それは僕も光も同じです

あ、僕らの名前、父がつけてくれたんです」

 

いやいやいや!でも、息子である

忠秀君がそう言うのならば仕方ない