「それじゃ、花爺は
悩んだりしたことはないのか?」

「当たり前でしょう
オカマでも、こんなに綺麗だったのよ
中学の時に不良が
『わーい!女男!』って囃し立てたんだけどね
ほとんどの女子が怒って
その不良を蹴散らしてくれたの」

そう言って、例の美しい写真を取り出した
マサさんは、もう、何度も見たその写真を
改めて眺めて

「こりゃ、二十歳くらいの時だろう
中学の時は妖精のようだっただろうなぁ」

花爺は嬉しそうに

「そうよ、父親だって
嬉しそうに私を見たものよ
それに、頭もよかったの
中学3年間、ずっと学年で一番よ」

「へぇー母ちゃんもさぞ、
鼻が高かったんだろうな」