やっと、掃除が終わって
最後の値引きをすませると
キエさんはヘトヘトで
更衣室に入ってきた
そこにいたのは美奈さんでした
美奈さんは偶然キエさんに会ったわけではなく
もう、着替えていましたから
どうやら待ち構えていたようです
「ちょっと、キエさん
あの、指田ってジジィ
あんたに仕事フリすぎなんじゃない?」
「え?いや、そんなことないのよ
あの人は、まぁ、ちょっと、そのう.....」
キエさんが困って口をもごもごしていると
「ちょっと、キエさんばっかりが
貧乏くじ引いてるように見えるよ
私が言ってあげようか?
これじゃあ、ブラックパートじゃない
あんなジジイのいうことなんか聞く必要ないよ」
「いえ、あのね、私が好きで働いているんだから
いいのよ!お願い放っておいて」
「何?いじめられるの?やめさせるとか言ってるんじゃないでしょうね?」