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「心配してくれてるんだよね

ありがとう

やっぱり、須田さんの言うとおり

マッシーってショパンのノクターンみたいな人ね」


え?意味わかんない?ショパンがクラッシックくらいは知ってるけど

でも、それって、褒め言葉だよね?


「ココア・・・・すっごくあったかかった

それで、決めたんだ

もう、言うとおりになんかならないって

今日からもう、食事、作らないことにしたの」


う~ん。ぼんやりだけど俺の中で彼女と彼の関係が見えてきた

でも、本当にそれで、大丈夫なのかな?

ちょっと、包帯の手首を見つめた


「大丈夫なの?」


「私が馬鹿だったんだ

でも、なんとかするよ。」


「俺でできることがあるなら・・・」


ほんとならそんなやつとは別れちゃえよって言いたかったけど

そこは言えなかった


俺を見つめていた沙良ちゃんの目がふっと動揺した

俺の後ろに目が行く

えっ?そう思って振り向くと俺よりちょっと下ぐらいの年齢

神経質そうな、でも端正な顔立ちでセルロイドのメガネがよく似合う

そして秀才であることが一目でわかるたたずまい

そんな男が少し笑いながら


「僕もいいかな?」


俺も沙良ちゃんも何も言えない

二人の返事なんか待ってる気はなさそうに沙良ちゃんの横に座った

そして、俺を見ると


「沙良、どちらさんなのかな?」


そう、冷たい声で聞いた

沙良ちゃんは最初は怯えていたけれど覚悟を決めたように

毅然と彼に俺を紹介した