猫木の変な挑戦『いろんな敦賀さんを書いてみよう。』

困惑混沌の朝。から派生する続きひとつ終わりを告げられた私。の続きな掟破りの番外編的な?急変を投じるアイツ。の続きな、そんなものとなっております。

……の前に、こちらな話。毎度のごとくいただいたネタを元にしておりますが、かーなーり捻じ曲げておりまする。どうかお許しをば。

_(:3」z)_

 

 

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かたや、芸能人としてはどうよ?な般若面。
かたや、グサグサキュラッキュラなキラキラ笑顔。
…………出来るなら、逃げ出したい。
 
 
 
 
 
「俺の恋人から手を離してくれるかな?」
「……出来ねぇ話だな、敦賀さんよぅ?」
腕を掴んだショータローに引きずられてった先にいらしたのは……敦賀さんで。
それはもうご機嫌斜めな魔王降臨一歩手前なお方に「顔貸してもらおうか」なんてアイツが言って……。
敦賀さんになんて口をきくのよ!って私が口を開こうとすると、あんたその顔ファンが減るわよ?って仁王像みたいに凶悪な顔で黙ってろって脅されたまま、どうにか人気のない場所へと移動した訳でございます。
一触即発って感じのバチバチした空気の中、睨み合うふたり。私の手はショータローに掴まれたままだし、敦賀さんのキュラキュラはグサグサ刺さって痛いし…………
なんでこうなってるの?
「恋人だ?笑えねぇ冗談だな。……コイツは京都に帰って中居になるんだとよ。」
ついさっき、自分が言った筈の言葉。なのに、心臓がキュッと小さくなってしまったみたいに胸が痛い。
無責任に仕事を放り出すなんてそんな生半可な覚悟で演技をしてたのかって、敦賀さんに軽蔑される。自分で敦賀さんから離れるって決めた癖に、怖くてぎゅっと目を瞑る。
「京都で中居って、松月亭で?無理じゃないかな……」
君には心底失望した……なんて敦賀さんの言葉を予測していた私に降って来たのは、そんなあっけらかんとした敦賀さんの声だった。
なんでんなことお前にわかんだよ!って噛み付くショータローに
「松月亭の女将さんが女優『京子』の大ファンだから。」
と、そう当たり前みたいに答えてみせた。
「先週、お邪魔させていただいたけど女将さんの部屋、凄いよ?そりゃもう見事に『京子』だらけだったよ。」
出演したドラマのDVDは全部BOXで揃ってたし、映画のポスターとかもいろいろ。キュララのポスターなんて古いのも貼ってあったからかなり年季の入ったファンだよね?なんて、けろっと仰る敦賀さん。
って……え?へ?女将さんのお部屋?あのシックで落ち着いたお部屋に私のポスター???
「なんだっててめーがお袋の部屋に?」
ショータローの疑問はもっともだろう。
思い返せば、先週敦賀さんからお茶の葉を使ったチョコレートの京都土産をいただいたけど……ロケや撮影ではなかったんですか?
「なんでって、キョーコがお世話になった方々だからね。ご挨拶とキョーコに結婚を申し込む許しをもらいに。」
はぁ???けっこん?血痕?結婚?へぇう???
目の前の敦賀さんが何を言ってらっしゃるのかさっぱりで……思わずに横のショータローを見れば、こっちもこっちで愕然とした表情をしていて……
「だって、俺がいくら言葉で愛してるって言っても身体で伝えても……どうもいまいち本気だと受け取ってもらえてないみたいだったから。」
だって……だって、敦賀さんが私に囁く言葉は全部…………遊び人のベッドでのお約束なリップサービス……の、筈で…………
私を掴むショータローの手から力が抜ける瞬間を狙いすましたみたいに、スッと伸びて来た腕に引き寄せられる。
「だから、信じてもらえるように追い込んでやろうと思って……俺を。」
素うどんフェイスの鼻先10センチメートルに突き付けられた神の寵児の麗しい美貌。神々しい微笑み、なのにその瞳はどこまでも真剣で
「京女の執念の深さ、知りとうはおまへんですやろ?ってさ。」
にっこりと、笑ってらっしゃいますが……それは、ようは敦賀さんへの脅し言葉なのでは?
未だに敦賀さんのびっくり行動に思考が追いつけてない私を置き去りに、敦賀さんは続けるのだ。
「キョーコのお母さんのとこにも行って来たし、だるま屋さんのご夫妻にもちゃんとご挨拶に行って来たんだよ?」
キョーコのお母さんの所では法的効力はなくても心理的拘束力にはなるだろうって念書にサインさせられたし、だるま屋さんでは焼き魚から煮付けまでいろんなお魚料理をご馳走になって来たよ。なんて。
貴方様は…………一体なにがなさりたいのですか?ちょ、ちょっと、待ってください。
お母さんの名前だけじゃなくて藤道さんに片桐先生までの連名入りの念書って凄い威力強そうだよね?なんて、なんでそんな楽しそうにしてらっしゃるんですかーーー!?
 
 
 
 
 
 
「だぁぁー!阿保らしいっ!!」
唐突に響いた大きな声。不機嫌そうに髪を掻き毟ったショータローは、私に向かって何かを投げつけてきた。
「こんなもんなくてもっ!んな、なっさけねぇヤローは余裕で超えて上から嘲笑ってやるってんだよ!!」
咄嗟に受け止めたそれは、あのボイスレコーダーで…………
「泣かせたら俺もぶん殴るからなっ!」
なんて敦賀さんへ、ずびしっと人差し指を突き付けている幼馴染み。
「んー、いいけど君には反撃するよ?不破くんにはいろいろと煮え湯を飲まされたからね。」
なんて答えている敦賀さん。ぎゅぅっと、私を抱き寄せる腕。頬が熱い。
「大人しく殴られろよ!!やってられっか!馬鹿らしい……」
吐き捨てるみたいにそう残して、ドカドカと荒荒しい足取りで遠ざかっていくショータローの後ろ姿。
 
 
 
 
 
「あぁ、あとうちの社長がね?キョーコがラブミー部に逆戻りするような事になったら、今度は俺にあのツナギ着せてスタンプ集めさせてやるってさ。」
 
 
 
 
 
歌うように、上機嫌なまでに楽しげに紡がれる言葉。
逃すつもりはないと語るみたいに強く私の身体に絡み付く腕。
私を覗き込む切れ長の一途なまでに訴えるような黒い瞳。
 
 
 
 
 
 
 
どこまでも本気なのだと……ただ、それだけを。
 
 
 
 
 
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キョコさん泣かせたらただじゃおかねぇ!ってとこへ自らを追い込む事によって、本気だと解らせてやろうとなさる蓮さんみたいな?
まぁ、結果キョコさんの外堀埋めて囲い込むことになるでしょうけれど……
(*ΦωΦ)
 
 
そんなこちら、1900番目の拍手を叩いて下さったGREEN2さまからのネタ
 
「ありがちですが、シテる最中に松くんからの電話、うっかりORわざと聴かせちゃう蓮さんと仁王になりながらも録音する松くん。録音音声でキョコさんを脅して意のままにさせようとする松くんに鉄槌を下す蓮さん。」
 
なものを、かーなーーり別物な方向へと捻じ曲げた末路なしろものだったり致しまする。
((((;゚Д゚)))))))
 
 
いや、だって……蓮さんがベッドに引きずり込んでしまってるので松くんからの電話を差し込む隙間はないし、そもそもうちのとこの蓮さんがはじめてのキョコさんのかわいいお声を聴かせるってのが有り得ないんじゃないかと。
あと……パラレルでは悪役一直線な役どころな松くんでも、原作沿い二十歳設定な話でキョコさん脅して手篭めに…なんて小悪党みたいな事するような男でいて欲しくないなぁと思ってしまいまして…………
ほんっと、ご、ごめんなさいぃぃぃぃ。
_:(´ཀ`」 ∠):
 
 
しまった。キョコさん泣かせたらハリウッドから殴り込みに来るクーパパさんをねじ込むの忘れてたや。
 
 
 
↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

 


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