猫木の3周年記念っぽい変なリク募集企画?
に頂いた蓮キョコさんたちにさんざんさせたい事をさせていくだけなものとなっておりまする。
タイトルでいきなりネタバレシリーズになるんだぜよぅ。
( *'w')b


んでは、こちら蓮くんverからの続きだったりしまする。




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「私と……私と…………絶交してください。」




俺から目をそらすみたいに、ふわりと笑っていたかわいらしい顔が伏せられて……言葉にするのを戸惑った暫しの沈黙の後に音となって続いた最上さんの小さな声が告げた願い。
脳天に雷でも落ちたようなの衝撃。ドクリと心臓が嫌な音を鳴らす。
「も、最上さん……どうして?」
からっからに乾き切った喉からやっとの思いで絞り出せたのは情けないくらいに震えていた。
俺を拒絶するように栗色の髪で表情を隠して伏せらたまま、顔も見せてくれない彼女から感じ取れる冗談なんかじゃない張り詰めた空気。
俺は……俺は、君に何かしてしまったんだろうか?
「もう敦賀さんとは口もききません。お食事を作る事もないですし、お会いすることもないでしょう。」
俺を突き離すような、冷たくて硬い最上さんの声。
俺の唯一のあたたかな光のように大切な存在を失いたくなくて、縋り付こうと伸ばした手は彼女に届かずに
「嫌だっ!!……最上さんっ!」
遠去かる愛しい彼女を逃すまいと足を動かすけれど、ジャリっと砂の鳴る音と足の裏にでこぼこの石を踏む感触はあるのにちっとも前に進めずに近づかない距離。
君の望みなら何だって叶えると、そう言ったけれど……お願いだ、それだけはっ!
「最上さん、最上さんっ!!」
必死で叫んだ声に、やっと顔を上げてくれた最上さんの紅茶色の瞳は涙で濡れていて
「敦賀さんの嘘つき!うそつきぃ……嫌いっ!」
辛そうにくしゃりと歪んだ顔。声を上げて泣じゃくる最上さんが、あの夏の日に京都の河原で出会った頃の幼い姿と重なってみえる。
「キョーコちゃん!」
そんな風に泣いて欲しくなくて、誰よりも大切で護りたいと願った愛しい彼女。
ボトムの裾を濡らし、靴の中に染みた水が足を重くさせていて焦りばかりが降り積もる。
抱き締めようと伸ばした腕。
キッと涙に濡れた瞳で睨みつけた彼女が言ったんだ。


「敦賀さんのばぁーかっ!!も……私、ショーちゃんと結婚してやるんだからっ!」




そんな事、許せるものか!!
ブチリと、何処かで何かが切れたような音がして重ったるく纏わりつくような空気から急に解放された身体が彼女へ向かって全力で走り出して……










「キョーコっ!!」
気がつくとそう叫びながら、腹筋を使って上半身を起こしていた。
視界に飛び込んで来たのは、たった今ドアを開けたばかりなのだろう、ドアに手を掛けたままいきなり俺に名前を呼ばれた事に驚いて目をまんまるに見開いて固まっている最上さん。
白いシーツを跳ね上げるように飛び出したベッド。
愛しい彼女を誰にも渡すまいと、ぎゅうっと腕に閉じ込めた。あたたかな彼女の体温とやわらかな香り。
さっきまでの嫌な夢のような出来事が嘘だと実感したくて、強く抱き締めた彼女の栗色の髪に顔を埋めていると…………
「蓮っ!?」
男の声で、呼ばれた俺の名前。
あれ?そういえば、さっきまで何処かの川のほとりに居たはずなのに……そう思って見渡してみると、白い壁の見知らぬ部屋。微かな消毒液の匂い。
振り返ると、そこに居たのは…………




もう我慢出来ないとばかりに身をよじらせ腹を抱えて思いっきりに俺を指差して大笑いしている、社長と社さんだった。






*****




発作的な笑いがやっとひいてくれたけど、まだちょっとだけ苦しいような呼吸。眼鏡を外して笑い過ぎて目の端に滲んでいた涙を拭っていると、じとりと責めるような視線を感じたんだ。
俺を睨んでいるのは、ベッドの上に座ってまるでお気に入りのクマのぬいぐるみを抱く子どもみたいに、真っ赤な顔で逃げ出そうとむーむーともがいているキョーコちゃんをがっちりぎゅーぎゅーに抱きしめている蓮くん。
イヤイヤ、俺だってちゃんと心配はしたんだぞ?
撮影セットの足場が崩れて、その下敷きになってしまった蓮。出血や見て分かる傷はなくても、ぐったりと意識なく倒れたままの蓮を病院に運び込んで事務所の社長やキョーコちゃんなんかに連絡をしてさ?
頭に内出血なんかがあったらことだと検査をしてもらっても何処にも異常もなく、ただ眠っているだけのように見えた蓮。
だけど、原因も解らずその意識は昏睡から戻らないままで…………
ハラハラと肝を冷やしていると駆けつけて来た社長。いつもなら頭の先からつま先まで完璧にコーディネートされているコスプレも、着替えの途中だったのか不完全に中途半端なままで。だけど、勘だけで生きて来たと豪語していた社長は言ったんだ。
「大丈夫だ。コイツは、こんな事で駄目になったりしねぇよ。」
と、力強く頷いて
「やっとあの手強いラブミー部のラスボスを手に入れたんだぞ?何がなんでも戻って来るだろ?」
なんて、片想い時代からなこいつのドロドロの執着を知る身としては思わず、なるほどと心底から同意してしまいそうな説得力満載な事を付け足して。
郊外へロケに出ていたキョーコちゃんが来るまでの間、
「最上くんが目覚めのキスでもすりゃ起きるんじゃないか?」って、社長が言えばちょっと敦賀蓮としてはどうかと思うようなやらしい感じにニヤけやがるし、「不破と結婚しちまうぞって脅かせばどうだ?」とか話てたらすっごい恐い唸り声上げうなされだすし、極め付けにキョーコちゃんが蓮の病室のドアを開けたその瞬間に、まるで嗅ぎ付けたみたいに名前を呼びながら飛び起きて弾丸みたい一直線に抱き締めに行くし?
そりゃ、ね……笑っちゃうのも仕方がなくないかな?
なんて俺の話を半分に聴きながら
「目覚めのキス!キョーコからの目覚めのキスが欲しいな?……だって、呪いを解くのはお姫様からのキスが必要だと思うだろ?」
なんて、コーンはもう呪われてませんっ!と奥床しい大和撫子としては人前でのキスなんて全力拒否です!な様子のキョーコちゃんに強請りまくって絡み付いている、もしかしたら三途の河から帰還を果たしたばかりなのかもしれない男。





愛しげに、でもその存在を然りと確かめるみたいに何度も何度も抱き締めているキョーコちゃんの左手薬指のリングをなぞっている蓮の手。
それを目の端に見て、頭の中では今日の事故で組み立て直さなくちゃいけなくなった蓮とキョーコちゃんのスケジュールの変更を考えながら部屋を出て、蓮の退院の手続きへと向かったんだ。






自分でも自覚出来るほどに、にんやりと緩んだままなのだろう口もとをなんとか補修しながら。





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絶交です!んで、松くんと結婚してやるっ!な脅しをかけられたら、蓮くんなら何がなんでもすっ飛んで生き返って来そうだなぁ……とか思いませんか?
(*゚∀゚*)



こちら、まじーん様よりくるっぽーと伝書鳩にていただいた
「では……私と、絶交してくださいっ!」
なものを、蓮キョコさんずに3散◯◯させましょう!のSAILEE様から頂きましたコメント
「三途を絡めた話」
な感じに捻じ曲げてみたものにてございまする。
_(:3」z)_




蓮くん意識ナッシング設定にて、急遽お兄ちゃんなやっしー視点を引っ張り出してみやした。
本気で心配はしてたけどキョコさんの話題でニヤける蓮くんに、あ、大丈夫だコイツってなるやっしーと社長が書きたくて……
いいんだ。猫木だけが楽しいんですもの。
♪(´ε` )



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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