これまでのわたしは、そういう状況に巡り合って来ませんでした。
最初に迷い込んできた猫は、いつのまにかいなくなったし、その後にいた7匹は、震災により半壊した家に置けず、ボランティア経由で引き取ってもらいました。
そのうちの1匹は里親さんが看取って下さり、報告を受けました。
うさぎやリス・ハムスターなどは見送ったことがあります。
寿命が短い子たちは、その思い出の年数分だけ前を向ける時間も比較的短くて済む気がするけど、うさぎはうちの子になって12年暮らしたので、精神的ショックは大きかったです。
当時のわたしはうさぎに関する知識も今と比べると希薄で、もっとケアしてあげられていたらもっと長生きできたかもしれず、申し訳ないことをしたと思っています。
でも、猫は12年どころか、長いと20年以上生きるので、パートナーと呼ぶにふさわしい。
今そばにいる黒と茶トラのパートナーたちが亡くなる瞬間を考えるだけで胸が苦しくなります。
ましてそれが寿命でなく、思ったよりも早く訪れたとしたら。
愛ちゃんは、この世に生を受けてまだ1ヶ月しか経っていなかったのに。
本当に可愛い子でした。
見た目のキリッとした感じとは逆にとっても甘えん坊。
だけどとても賢い子でほんとに手がかかりませんでした。
酸素室から出たらまずトイレに行かないとご飯を食べない、など、三毛らしいこだわりもありました。
やってきた当初は寛ちゃんがガリガリで大人しいけど、愛ちゃんはよく食べるし元気いっぱいで、寛ちゃんの方が心配になるくらいでした。
それなのに愛ちゃんの呼吸は日に日に早くなり、それでも気丈にがんばってきた愛ちゃんでしたが、その小さな身体には負担が大きく、薬が効き目を表すのを待たずに、愛ちゃんは猫神様に連れて行かれてしまいました。
肺炎について毎日調べていました。
先生も連日の手術や診療の合間に模索して下さり、何か方法はないかと考えてくださっていました。
誰も悪くない。
懸命にケアしてきたけれど、肺炎という病気に打ち克つことができませんでした。
肺炎とは、それほど難しい病気なのです。
その原因を特定するためには、段階があり、聴診や触診、体温・心拍数・呼吸数の測定などからその状況を把握し、次にレントゲンや血液検査。ここまでが通常の検査です。
しかしこれだけで原因を特定することは難しく、本当に原因究明をする場合、「気管洗浄による細胞診や微生物培養」つまり気管を洗浄して、洗浄液に含まれる細胞や微生物を検査するという方法を取る必要があり、これには全身麻酔を必要とします。
でも、あくまでこれは「教科書通りにすれば」の方法。
肺炎で弱った身体にこんなことをすればどうなるか素人でもわかります。
かかりつけの先生も同じことをおっしゃっていました。
肺炎を治していくには対症療法しかなく。
でもその原因や猫の体質により、どの系統の抗生物質を使うかが変化します。
ひとつずつ試していくしかないのですが、そうしているうちに猫の体力が消耗していき、間に合わなくなるのです。
今回、先に亡くなった杜ちゃんや慎ちゃんは、お薬の効き目を見る前にすでに重症化してしまっていました。
愛ちゃんだけは体つきも大きく、食欲もあり、当初ほんの少しずつですが呼吸数も減りつつありました。
それでも、かなり通常よりは呼吸が早いことには変わりがなかったのです。
写真は、毎日わたしが記録していた呼吸数と、投薬などのメモです。
この記録を元に、効き目が出ているかさぐったり、先生と二人三脚で治療にあたりました。
亡くなる前日の夜、呼吸数が早くなりだします。
深夜だったため、翌日に連絡。
愛ちゃんは酸素室から出ると呼吸が倍以上に急増する上、病院という見慣れない場所に行くことでさらに興奮して過呼吸になると思われるため、通院はリスクが高すぎます。
なので往診をお願いしました。
往診は、夕方からの手術や予約診療の時間帯になりますが、この日は手術などが多く入っており、先生にはかなり無理をしていただき、時間を確保していただいていたのですが、愛ちゃんの体力がそれまで待てませんでした。
後になってこの記録を見返して、もう少し早く往診をお願いしていればと思ったこともありましたが、おそらくもうできることは全てやり尽くしていて、できることがあるとしたら、栄養を投与する皮下点滴と、抗生剤の注射くらい。
もったとしても、1日延びていたかどうか。
あの苦しい時間を1日多く過ごさなければいけなかったのかと思うと、それが正しかったとは思えません。
4匹兄妹だった彼らのうち、残ったのは寛ちゃんだけになりました。
愛ちゃんが亡くなる直前、ずっと大声で鳴いていた寛ちゃんが、愛ちゃんの心臓が止まった途端に静かに悲しく鳴き始めました。
今日、愛ちゃんを見送りに行く前にも、そっと愛ちゃんをケージ越しに見せてあげると、同じ鳴き方でかぼそく鳴きました。
何かを感じていたようです。
寛ちゃんはいつの間にか愛ちゃんを軽く超える体重になり、うちにやってきた時のがりがりの姿とは見違えるほど体格もよくなり、ころころになっています。
症状も、ずるずるしていた鼻は時折スースーと詰まったような音が鳴る程度で、かなり軽減しています。
目に少しまだ炎症は残っていますが、それら全てもあと少しの投薬とネブライザーで軽快しそうです。
本当は、愛ちゃんの介護に集中するために元気な寛ちゃんを別の方へバトンタッチするはずでしたが、もう愛ちゃんはいなくなってしまいました。
でも、寛ちゃんはこのままバトンタッチになります。
とっても甘えっ子で可愛い寛ちゃんまでいなくなるのはとっても寂しいですが、別で預かっている子に別疾患の疑いが浮上しているため、念の為に隔離することにしたのです。
どうか3兄妹の分も大きくなって素敵なおうちに迎えてもらいたいです。
そしてわたしたちに残った課題。
シェルターメディスンの意識を持つこと。
隔離と管理を怠ると、それは今回のような事に直結することを認識していかなければいけません。
これからは体重測定などの他にも、常に呼吸数を気にするようになると思います。
こういう経験値こそが、子猫を死なせてしまわないためのツールになるから。
愛ちゃん、今まで可愛い姿をありがとう。
早く着替えてすぐに戻ってきてね。
必ず見つけるからね。
虹の橋を渡って、慎ちゃんや杜ちゃんと会えたら、今まで走れなかった分たくさん走ってね。
生まれてきてくれてありがとう。
お寺のお堂の天井裏に住み着いていた猫一家。
そこから確保するまでの経緯です。
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