過去を振り返って 感染の宣告 | HIV陽性を宣告されて。

HIV陽性を宣告されて。

2009年に初夏、B型肝炎で入院しました。
退院直前に医師に告げられたのは、HIV陽性で有ること。

その時の心境や、これから先どうして行こうか。
そんなことをつらつら書いていこうかなと思います。

肝炎は、肝臓自体に痛みを感じるわけではないので、
入院生活は苦しくなかった。
唯一言うならば、病食が美味しくなくて、
コンビニで買ってきたふりかけとか調味料でごまかそうとしたけど、
退院直前は出された食事を半分以上残す始末。
これにも自分は金出さないといけないんだよな。。。


経済的な不安があることは、入院時から担当医に伝えていて、
出れるようであれば早く退院したいと思っていたので、
その旨を相談。「それでは、早く退院できるようにしましょう。」
と言われ、やっと家に帰れると喜んだ矢先。


「入院時に行った検査の結果がやっと出たので、こちらでお話しましょう」と、
別室に案内された。看護師さんも入ってこないように言われて、
自分と担当医の二人きりの部屋になった。


  あ、そういうことなんだ


瞬間気づいたけど、はっきり言われないとわからない。
考えが頭を渦巻く前に、担当医は続けた。


「この前の検査の結果ですが、残念ですが、HIVが陽性という結果が出ました。」


聞いた瞬間、気分が悪くなって、頭を机につけた。
脈が早くなって、急に汗が吹き出して、息が早くなった。


担当医が一瞬慌てて、ベッドに戻るか聞かれたけど、
戻ってもあとで詳しく聞かなければいけない状況は変わらないと思って、
居眠りをする学生のような体勢になりながらも、続けてもらった。


言われたのは、擬陽性の疑いもあったので、しっかりとした検査をしたが
やはり陽性だったこと、決まりですでに保健所に届けていること、
今の病院では専門的な治療はできないから、専門外来にかかることを勧める旨。


病院はどこがいいですか、と聞かれ、職場が新宿を経由するから
新宿の病院がいいと言ったら、そこ向けに紹介状を書きますと言われた。
明日の午前中に、退院できるように事務に伝えておきますと言われ、
話は終わった。


ベットに戻り、天井を見上げた。
頭は真っ白だった。言葉は出てこなくて、しばらくぼうっとしていた。


時間がしばらく経つと、これからどうなるんだろうと思った。
ちゃんと調べたことはないけど、薬だけで月数十万かかると聞いたことがある。
そんなの払ってたら、生活できねぇ。
借金まみれになって、破産しなくちゃいけなくなって、
破産したら借金できなくなるから、薬も買えなくなって、、、


そうしたらどうしよう。死ぬのを待つか、自分で断つかだ。


今付き合いかけているような兄貴にも、感染の事実を伝えなくちゃ。
これで、もう会えなくなるんだ。


それ以上は考えたくなくて、急に眠くなって。。。


起きたのは消灯前。
このまま、また朝まで寝る自信が、寝付く自信がなかったので、
看護師さんに頼んで、睡眠剤を処方してもらった。
薬をのむと、強い酒を飲んだみたく眠くなって、
その眠気に全身を任せた。