チェ・イェヨン、ありがとう(최예영、감사합니다)その3 FIESTA

 

オーディション番組「Girls Planet 999(ガールズ・プラネット999)」(通称ガルプラ)第4話コネクトミッションでのFiesta1班のパフォーマンスについて書きたいと思います。このブログは放送順の時系列で書いていますが、僕自身が最初にイェヨンに魅せられたのはこのFiestaのパフォーマンスでした。それがこちらです。

 

Fiesta IZ*ONE team1
イェヨン(K)・シンウェイ(C)・レイナ(J)
イェソ(K)・シンチャオ(C)・マシロ(J)
ソヌ(K)・ウィンジー(C)・ナゴミ(J)

早起きミッションで3位だったソヌのセルがイェヨンのセルとイェソのセルを指名してできたグループです。実力・人気・ビジュアルを兼ね備えたメンバーが集まったハイレベルのグループで、難曲とされる課題曲Fiestaに果敢に挑戦していきます。

この曲の難しさが見た目にもわかるのは、フォーメーションチェンジが激しく複雑で、入り乱れてる感があるところです。曲は終始アップテンポで切れ目がなく、しかも終盤に向かってテンションが上がっていきます。個々のダンスはただ動きが激しいというのではなく、情感があふれ出るエモーショナルなダンスです。

この曲でキリングパートを務めたのがイェヨンでした。曲のスタート、サビ、エンディングなど大事なところでは必ずセンターにいて、グループのビジュアルの核となります。イェヨンのダンスはリズムが正確でオーケストラの指揮者のようにグループ全体に安定感を与えます。そして動きはしなやかで常に余力を残している余裕を感じさせます。この子がIZ*ONEの一員ですと言われても驚かないほどのプロっぽい安定感がありました。

僕が惹き込まれたのは単純にイェヨンの歌って踊っているビジュアルがとても美しいと思ったからです。もっともこのグループはイェソ、シンチャオ、シンウェイといった美人ぞろいでヴィジュアルのレベルがそもそも高いのですが、イェヨンの場合は、地の美しさ以上に、パフォーマンスのなかで内側からあふれ出てくるような独特の美しさがありました。しばしば視線を真っ直ぐに前に向け、何か一途な思いの深さがにじみ出たような表情をします。きっと寡黙だけど意思の強い女性なのだろうと想像しました。普段のイェヨンが快活でよくしゃべる子だと後で知ったのですが、パフォーマンスのなかでは別人のように思えます。

思うにイェヨンはPOP/STARSのときにソンミに足りないと言われた「オーラ」を出すことに挑戦したのではないでしょうか。このパフォーマンスの時のイェヨンは普段の前髪をやめて、メイクも普段のタレ目の目尻にシャドウを濃く引いて少しつり目のように見える大人のメイクをしています。POP/STARSでは見せなかった大人の女性としての美の「オーラ」を見せようとした、そんなふうに思えます。

 

 

チッケムで見て行きましょう。

イェヨンをフォーカスした公式のチッケム

 

イェヨンの表情がよくわかる非公式のチッケム(イェヨンの美のオーラがあふれ出ています)


1:20 この前後からどんどん表情が色っぽくなってきます。1:37 ここのパートでは同じIZ*ONEの"La Vie en Rose"の振りを採り入れているとファンの投稿がありました。手首をあごのところに持っていくあのポーズですね。

2:17 後ろ姿のイェヨンが前を向いたときの表情。トロンとした眼のままで激しく頭を振るイェヨンからは女の情念のようなものがあふれ出ています。このあたりから笑顔は消えて思いつめたような表情のまま激しく踊ります。

2:45 ここからの歌と演技はこの歌の感情が頂点に達するクライマックスです。心の奥に秘められていた何かが開花して、自分自身がFiesta(祝祭)になっていく瞬間です。イェヨンは依然として正確な歌とダンスのリズムを刻みながらセンターに進み出てひざまずき、長い髪を振り回します。3:00 最後のエンディング妖精でもイェヨンは曲の世界観のなかにまだいるのか、笑顔は見せずに真っ直ぐ前を見つめていました。

YouTubeにもイェヨンの「オーラ」を見つけた人たちのコメントがあふれていました。何人かの日本人YouTuberさんたちも注目します。WithU系YouTuberの「B級リーマン」さんはFiestaでの安定とオーラを見てイェヨンをマイTOP9に入れていました。ヴォイストレーナーのさきこさんも「何か曲の世界に入り込む特別な雰囲気のある子」と注目を語ります。できることならソンミさんにも、今日のあなたには「オーラ」があったよとイェヨンに言ってあげてほしかった。

イェヨンはキリングパートの見せ方で特別な「オーラ」を放った一方で、自分の最大の武器であるヴォーカルの見せ場を作ることをほとんどしませんでした。きれいで艶のある声なのですが、低音だから目立たないのです。ガルプラのFiestaは1班も2班もサビをユニゾンで歌っていますが、このサビをイェヨンがソロで歌っていたとしたらそれだけでも大きなインパクトがあっただろうと思います。

 

高音が得意なイェヨンがなぜ低音しかないパートを選んだのか。可能性としては①ヴォーカルが得意な子がグループに多くいたので、争うことを避けて仲間にチャンスを譲った、②低音パートのほうが色っぽくて艶っぽい声が出せると思った、のどちらかでしょうか。仲間を大切にするイェヨンだから①もあり得るけど、それだとファンとしてはちょっと切ないので、②だと信じることにします。

 

Fiestaのメインボーカルを決めるシーン


0:22 最初にメインボーカルを決めるシーンがありましたが、レイナとソヌが立候補して二人とも高音を張り上げます。そのときイェヨンは拍手をして二人を盛り立てますが、自分が立候補しようという素振りは見せませんでした。メインボーカルはソヌに決まりました。ソヌが本番で「オーイェー」と最高音のハイF#を出したとき、ソンミは「オー!」と声を出して拍手をします。しかし、POP/STARSでのイェヨンはそれよりも1オクターブ以上高いハイ・ハイAまで出していますから、仮にこのパートをイェヨンが歌っていたとしたらもっと楽々高音を出していたはずで、そうしたらソンミは同じように拍手してくれたのでしょうか。ちょっと想像してしまいます。

 

ARATAのダンススクールより


第1次生存者発表式で脱落して帰国したナゴミ(比屋定和さん)は、ダンサーARATAさんの動画に出演しています。23:08 ではFiesta1班のリーダー決めの際のエピソードを話しています。レイナとマシロとイェヨンがリーダーに推薦されたそうですが、イェヨンは「今回は自分的にはやりたくない」と言って下りたそうです。その理由もいろいろ想像してしまいます。POP/STARSでリーダーを務めたが自分の演技が評価されなかったことが何か影響していたのでしょうか。自信をなくしたとか、今度は評価されるように自分の演技に集中したかったとか。真相はわかりませんが。

結局、リーダーを務めたのはマシロでした。マシロは実力があるだけでなく、日韓両言語を使いこなせるのでメンバー同士のコミュニケーションでも核になりました。マシロはパフォーマンスでも 「・・・Climax!」のパートをテンション高く決めて見せて、歓声を呼んでいました。

 

その一方で練習風景やマスターの中間評価では、キリングパートで前に立つイェヨンの安定感がグループ全体を引き締めて安定させているのが見えます。本番のパフォーマンスもそうでした。シンチャオが中間評価でミスをしたあと、同じセルのイェソとマシロがシンチャオを懸命にサポートする場面が放送されましたが、よく見るとイェヨンがシンチャオにダンスを教えている場面もありました。

 

マシロが見たくて注目したFiesta1班でしたが、実力を発揮して放送の分量も取って人気を増していくマシロに対して、実力があって魅力にあふれてグループにも貢献しているのに分量を取れない方向にばかり行ってしまうイェヨンの方を応援したい気持ちが強くなりました。(つづく)

 

Fiesta IZ*ONE team1 フルバージョン(マスターやメンバーの反応をカット)

 

Fiesta IZ*ONE 日本語バージョン

Fiesta(祭)に参加するというような楽しい歌ではなく、自分のなかの何かが開花し、自分自身がFiestaになっていくという激しい歌です。

It's my Fiesta. 「それが私のフィエスタ」という決め台詞の歌詞。イェヨンはそれが歌いたかったのかもしれません。