桜の下に
花が丸ごと落ちている。
花びらではなく、
花が、
ぶっつりと首元から切られて
落ちている。
ことを春になるとよく見るのですが、
それを
雀の盗蜜
と呼ぶそうで。
まあ、その名の通り、
雀が桜の花の首元の蜜を
吸ってそのまま
吸い殻を道に落とすと。
花の盛りになると、
道いっぱいに落ちていたり、
たまに、
ひらひらと風に舞っているものもを
そのまま手のひらに受けたりして、
てくてくと持って帰って
ガラスのコップに浮かべて
ニヤニヤ笑ったり、
が、春の日常だったわけですが!!!
今年はー!
今年はー!
今年はー!
全然観ないんですけど!
道に花が落ちていない。
まったく落ちていない。
今年の桜は咲くのが遅かったので、
わざわざ桜の蜜を吸わなくても
美味しいものがほかにもある
ってことなんですかね。
なので、せっかく桜が咲いているのに、
地面ばかりを見ながら
歩くことになる。
見つけた。
見つけた。
探せばあるけど、
なんとなく持って帰る気分にもなれず、
見つけたことに満足しながら、
空を見上げて帰ったのでした。
桜の季節も
もうすぐ終わり。
そしたら、
梅雨がくる……
いやぁぁぁぁぁぁぁ!