第二百九十五話 百四十字のねこばなし 五題 | ねこバナ。

第二百九十五話 百四十字のねこばなし 五題

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■念願の宇宙移住計画が始まり、隣の恒星系へと調査隊が出発。移住に最適な惑星で調査を開始したが、すぐに通信が途絶えた。不審に思った政府は第二の調査隊を派遣。到着した彼等が見たのは、猫達とのんびり昼寝に興じる隊員達の姿だった。そこはマターリ猫の惑星。間もなく第二調査隊の通信も途絶えた。



■P博士は猫の抜け毛防止剤を開発。塗るだけで換毛期の抜け毛が無くなるという優れもので、爆発的なヒット商品となった。しかし抜け毛は無くなるものの、毛が抜けずに伸び続けるだけだと間もなく判明。日本中の猫はモップ猫と化し、美容院は大忙し。夏の毛刈りが常識となり街は「ライオン猫」だらけに。


■何故俺は猫に嫌われるのか。こんなに猫が好きなのに。好きすぎて全身猫グッズで固めている。猫が一キロ圏内に入るとすぐに察知できる。目視するが早いか猛ダッシュで接近し、むんずと掴んで全身をなでまわす。そしてほっぺに熱い愛のキッスをするのだ。それなのに…っあ、ウザイですか…すみません…。


■その昔チュー国に攻め入った猫元帥ニャンシンは、川を背にして陣地を築いた。兵法の初歩も知らぬと高をくくった鼠将軍チューヨは総攻撃を開始。しかし水の大嫌いな猫軍兵士は火事場いや水場の馬鹿力で必死に応戦し、二十万の鼠軍を一万余の猫軍があっさり撃破。これが世にいう「背水のニャン」である。



■白い猫と黒い猫が、窓辺で夕陽を見ていた。オレンジから紫へと変化する光線は、白い猫をオレンジから紫へと染めかえてゆく。やがて太陽が隠れてしまうと、二匹の猫は暗闇にとっぷりと塗り潰された。白と黒はゆっくりとひとつに重なって、きらりと四つの眼が光ったかと思うと、窓の奥へと消えていった。




おしまい







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