オリゴメタ 続きの続き | 不良リーマンの気ままな日記 肺がん1Aから3A昇格~再発

不良リーマンの気ままな日記 肺がん1Aから3A昇格~再発

2015年7月(55歳)肺がん右上葉切除。1Aのはずが病理検査の結果3Aに昇進! 
そして、2019年10月の検査で小脳転移。

いつまで続けるかわかりませんが、皆さんのお役にたてるといいですね。それに、自分も励まされてます。

昨日はワンステップで都立駒込病院放射線科の唐澤先生の講演。

 

薬の進歩で長期に生存する肺がん患者さんが増えるなか、放射線療法の重要性がますます増えるような気がする。

 

駒込病院はVERO-4DRTというとても優秀な装置があるそう。 装置だけでなく、唐澤先生はたくさんの肺がん(肺だけでなく、骨、脊椎他も)患者さんを診てこられた。

肺病変の定位照射後の長期生存例(なんと9年!)のスライドを前に、「患者さんのためにできるだけのことをしたい」という先生の姿勢はありがたい。

 

会場からの「オリゴメタ」についての質問。

「全身状態、進行のスピード、 前回治療からの期間、などなど」、いろいろなことを見て、治療を提案する」ようなことをおっしゃてた。

 

オリゴメタについてのランダム化した統計結果があれば、より科学的な尺度で治療する・しない、を考えられるのでしょうけど、今後もランダム化試験は難しそうな感じ。(オレの個人的感想)

 

国ガンの後藤悌先生が紹介された、ランダム化試験の内容を簡単にまとめてみた。

 

(オレの解釈としては、局所治療は前向きに検討に値する、って思うのだ。 )

 

タイトルはこれ。

Local Consolidative Therapy versus Maintenance Therapy/Observation for Patients with Oligometastatic Non-Small Cell Lung Cancer without Progression after Front-Line Systemic Therapy: Results of a Multi-Institutional Phase II Randomized Study

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5143183/

4期非小細胞肺がんに初回治療(EGFR、ALK含む)を行なったあと、、3個以下の転移であった患者に対して局所治療をする・しない、をランダムに割り付けた第二相試験。

結果は「有効中止」。 安全評価委員が早期の試験中止を勧告した。

 

 

以下、要旨。

<前触れ>

後ろ向きの他の研究から、がんの進展は、新規の病変というよりはベースとなる病変の近辺でおきることが多い。転移が少ない患者では、ベースとなる病変を切除(手術or放射線)することによって将来の新たな病変の「種」をとることが有効ではないか?

 

<試験の内容>

第二相ランダム化試験

 

対象患者:

4期非小細胞肺がんに初回治療(EGFR、ALK含む)を行い、3個以下の転移であった患者

初回治療後(化学療法、分子標的薬)に局所治療を追加する群と追加しない群とにランダム化

主要評価項目はPFS(無増悪生存期間)。

 

局所治療(LCT)を追加する群は手術、放射線、あるいは手術+放射線で残った病変(原発、リンパ節、転移病変)を切除。

 

<結果>

94人の参加が必要な試験設計であったが、49人参加時点で主要評価項目(PFS)が3.9か月 vs 11.9か月であり、有効中止。LCT群がHR0.35でPFSを伸ばす結果となった。

LCT群25名の患者のうち、グレード3以下の患者は5名。

 

 

<考察>

(すごく長いので簡単に。)

LCT群のPFSは想定した7か月よりはるかに長い11.9か月であった。 OS(生存率)はデータ不足。

ただしLCTが有効であると言う結論をだすには、以下の制約がある

1)   参加人数が少ない。 第2相であり、有効中止となったことでデータ数が不十分

2)   PFSの判断基準となる画像診断の方法がまちまち。 ただし、筆者らは大きな問題ではないと思っている。

3)   参加者の肺がんのタイプ・遺伝子変異がまちまち。 過去の試験で参加者が集まらなかったため、幅広く募集せざるを得なかった。