ぼちぼち。。ここに移していこ~(=゚ω゚=)ノ57 | 7ころびひとやすみ。闘病と介護と猫と音楽と。。

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10章・2話『斉天大聖』

飄葛は都から飛び立ち、九州へと向かった。
雲より高く、国を見下ろしながら飛ばした。
「改めて見ると、小さな国だな・・・あれが九州だな、白狐も気になるが鞍馬様に任せておこう」
飄葛はあっという間に九州を通り越し、海へと出た。
「何という広さと美しさよ・・・」
しばらく行くと、少し右側に陸が見えた。
「・・・何という広さだ・・・あそこだな」
飄葛は陸上に着き、止まり初めての大陸に驚愕した。
「・・・比べると我の国はただの島だな・・・」
果てしなく続く大地を見下ろしながら上空をゆっくり進んだ。
「ん?何だ・・・」
広く砂ぼこりたつのが見えた。飄葛はそれに向かった。
「戦か!・・・何という規模の戦だ、幾万いや幾千万の人が・・・」
雲の上まで届く人々の声、見た事の無い武器や武具、旗をかかげ人々が殺し合っていた。
「我の国もこうなるのか・・・」
と、突然に大きな妖気が凄まじい速さで飄葛に向かって来た。
それは雲に乗り紅と金色の衣をまとい、棍棒を持った人の様な猿のような者が飄葛の前に止まった。
「擘柳が言っていた大国の武神か・・・」
すると、脳裏に話しかけてきた。
(俺様の縄張りに日本の妖が何用だ!)
「やはり神通力を・・・見本としてきた大国をこの目で見たく来ただけです」
(只では見せられんな・・・妖力を隠しても俺様にはお見逃しだ、それにお前が乗っている鉄扇はこの如意棒と同じ、この国の神宝、只者ではなかろう、日本の妖の王といったところか)
「・・・どうすれば見せてくれるのですか?」
(俺様と戦い、勝てば見せてやろう)
「戦うのですか?見たところ天の者でしょう?」
(斉天大聖と名乗り、そういう時もあったが、今は只の妖、孫悟空だ!名乗り戦え)
「仕方ありませんな・・・我は飄葛、受けましょう・・・ただ、この鉄扇が我の武器、地上でお願いいたします」
(よし、着いてこい)
「はい」
そう言うと、孫悟空は地上での人々の戦いのすぐ近くの広々した場所に降り立った。
「・・・何という・・・」
そこは戦いのあとか武装した無数の人々の亡骸があった。
(昨日、戦があった場所だ、足元が悪いが良いな)
「・・・はい」
飄葛は隼を手に持ち構えた。
(まずは小手調べ、参る!千本!)
孫悟空は動かずして如意棒を突き出した。
すると、如意棒は延び、飄葛に向かうにつれ
何本へと数を増やし飄葛に襲いかかった。
「この速さと数、避けきれぬ」
飄葛は隼を等身大に大きくし、身の前に広げ防いだ。
ダダダダダダ・・・ッ!
「何という衝撃・・・」
(流石は神宝、鞭!)
間も無く、繰り出された如意棒は蛇の如く
飄葛に襲いかかった。
「この程度なら・・・だが避けきれぬ」
飄葛は襲いかかる如意棒を隼で弾きながら避けた。
(これを軽く避けるのか・・・大!)
孫悟空は如意棒を太く長く大きくし、飄葛を叩くように振り下ろした。
「・・・避けれるが・・・」
ガンッ!
飄葛は隼を大きくし、地面に立て受け止めた。
(・・・浮遊!)
孫悟空は如意棒を手放し、操り、飄葛に襲いかかった。
「神通力か・・・」
飄葛は得意の妖術で隼で弾きながら避けた。
(当たらぬ・・・多身!)
孫悟空は数十の分身を作り、襲いかかった。
「分身なれば、9尾の黒焔!」
飄葛は地獄の業火で分身を消し去り、まだ1歩も動かずいた孫悟空に向かった。
(これは・・・本気を出せそうだ)
そして、飄葛と孫悟空との激しい攻防が始まった・・・