~2006年度の競馬を振り返って②~
短距離界では新星が現れた。‘05年までは善戦を続けていた『オレハマッテルゼ』が1200Mの春のスプリント王者決定戦『高松宮記念』を制し、王者不在のスプリント路線の頂点に昇りつめた。
しかし、今年の短距離路線は大混戦を極め、さらには国内での中心馬が最後まで不在のまま終えてしまった感は否めない。オレハマッテルゼが距離延長も克服し、1400MGⅡを勝利したとき完全にスプリント王者の風格が漂ってきたが、秋にはまさかの大失速で王者の風格は完全に失った。さらに夏のマイル王者決定戦『安田記念』では外国馬に勝利を譲り、2着は久々の7歳馬『アサクサデンエン』が入る小波乱もあり、マイル路線でも王者が不在のまま続いていった。
そんな中、今年も夏場から現れるスプリント女王『シーイズトウショウ』が今年こそ悲願のGⅠ制覇を目指す為に始動、連を外さない強さを見せつけ、少なくともGⅡ・GⅢクラスでは国内最強と言える強さを今年も見せてくれた。しかし、肝心のGⅠでは今年も惜敗し、今年も結局無冠で終えたのが残念だった。結局、秋のスプリント王者決定戦『スプリンターズS』も外国馬に持っていかれ、国内での王者は不在のままという微妙なものとなってしまった。
芝・牝馬部門では今年から開催された『ヴィクトリアマイル』でマイル牝馬最強の『ダンスインザムード』が制し、初戴冠となった。秋には現役牝馬最強の座につく『スイープトウショウ』がおそらくは現役最速の上がりを休み明け緒戦で見せる走りを披露し、女王健在を見せ付けた。『府中牝馬S』では古豪『デアリングハート』も復活し、古馬牝馬もなかなかの充実ぶりを見せたが、大一番『エリザベス女王杯』では3歳牝馬に女王の座を譲るという中途半端なものにもなった。
年々、馬の活躍する年齢が上がっている昨今だが、今年もその傾向を充分に見せた年だった。
1月に『リミットレスビッド』が重賞を2勝する固め打ちを見せた他、『シルクフェイマス』が得意の京都で復活、さらに『ネイティブハート』が‘06年からGⅢに昇格した『オーシャンS』を制し、久々の重賞制覇を成し遂げ、夏に最強スプリンターの力を見せたシーイズトウショウも6歳だった。ローカル最強馬『メイショウカイドウ』は今年も重賞を制覇、古豪『カンファーベスト』も久々の重賞勝利を見せるほか、今年は善戦を繰り返した。『キネティクス』が末脚復活と共に重賞制覇を成し遂げ、こちらもスプリント界の古豪『プリサイスマシーン』が堂々の復活、そしてついに『アイポッパー』が6歳にして悲願の重賞初制覇を成し遂げたのも記憶に新しい。
地方競馬でも『タイムパラドックス』が今年もGⅠを制し、いつまでも現役のGⅠ馬として君臨し続けるほか、暮れの大一番『東京大賞典』では『クーリンガー』が2着に粘る大波乱も演じてみせた。
パート③に続く・・・。