驚愕の競馬シリーズ~勝ちタイム編②~
『‘03年 有馬記念 シンボリクリスエス』・・・驚愕のタイムと記憶してる人は案外少ないかもしれない。シンボリクリスエスはこの年で引退、有馬記念は連覇で幕を閉じた。その勝ちタイムは・・・2分30秒5という快速タイム。あの『ダイユウサク』が出したレコードを更新したのだから驚愕タイム以外の何者でもない。そして2着につけた着差は9馬身。有馬記念の平均タイムは2分32秒台だ。平均よりも2秒以上は速い。そう簡単に勝てるタイムではないだろう・・・。
『‘98年 菊花賞 セイウンスカイ』・・・驚愕のタイムとして名前が挙がるレースはオグリのJCだけじゃない。これも負けず劣らずの凄まじい記録だ。勝ちタイムが3分3秒2・・・。これは当時の世界レコードだ。1000Mをそれぞれ1分1秒台を切るか切らないかのペースで3000Mを走り続けるタイムだ。道中のラップタイムはおそらくほとんどが12秒台だろう、驚異的すぎる。これを3歳馬(当時は4歳)が出してしまったのだから驚くしかない。
『‘02年 皐月賞 ノーリーズン』・・・1分58秒5という記録を3歳の馬がたたき出した。しかも全くのノーマークと言っていいくらいの低人気だったノーリーズンがだ。このタイムは古馬GⅠでも最高峰の『天皇賞・秋』のレコードタイムとも大差ないくらいの素晴らしいタイムだ。当時のレコードホルダーだったのが平成のアイドルホース『ナリタブライアン』だったというのも印象付ける一手だ。本当に強い勝ち方で、最後にタイムを見て驚いた。
『‘97年 天皇賞・春 マヤノトップガン』・・・これも当時の世界レコードだ。勝ちタイムが3分14秒4という殺人的なハイペースを差し切った。単純計算すると3000Mならセイウンスカイの記録すらも1秒近く更新することになる。いくら3歳の出したタイムとは言え、当時の世界レコードだ。それすらも遥かに凌駕するタイムなんだから驚くしかない。‘95~99年あたりまでは本当にレベルが高く、史上最強世代の1角として数えられる理由もお分かりだろう。
『‘01年 アイビスサマーダッシュ メジロダーリング』・・・GⅢのレースながら、これは本当によく覚えている。これを見ながら食べていたラーメンを噴き出した。勝ちタイムが53秒9。当時はまだ直線の1000Mというのが珍しかった。直線だとここまでのタイムが出るものなのか・・・と驚いた。驚異的だ、正に驚異的なタイムだ。コーナリングのある1000Mのイメージしかなかったから余計に驚異的なタイムに見えた。今でもこのタイムは充分ハイペースだが。
『‘06年 天皇賞・春 ディープインパクト』・・・まだまだ記憶に新しい、『サンデーサイレンス』産駒の最高傑作と言われるディープインパクトが叩き出した驚異的なレコードタイム。勝ちタイムは3分13秒4というとてつもない記録だ。マヤノトップガンが出した世界レコードを1秒も塗り替えた。上がり3ハロンが33秒5という、3200Mの長丁場とは到底思えない電撃の末脚だ。それを3角手前から強引に先頭に踊り出たかと思えばそのまま突っ切ってのこの上がりなのだから恐ろしい。このレースを見るだけでも史上最強馬と信じて疑わないファンが出て当然だ。あまりに強すぎる。俺はあんな勝ち方をする春・天は見たことがなかった。