この驚愕シリーズ、かなりの長編になる予定です。いろんなジャンルに分けて不定期でお送りします。競馬に興味を持った、これから好きになりたい、これから興味を持ちたい・・・と言った方々に是非読んでいただきたいです。
競馬の魅力の1つに『どの馬が1番強い(速い)のか』というのがあります。ただ勝つだけじゃなく、どれだけのパフォーマンスで勝ったのか、どれだけのタイムで勝ったのか・・・と。
今回は題して『驚愕の競馬~驚愕の勝ちタイム編~』をお送りします。一応、驚愕シリーズと題してシリーズ化する予定です。
驚愕の競馬シリーズ~驚愕の勝ちタイム編①~
『‘01年 武蔵野S クロフネ』・・・1分33秒3・・・このタイムが一体何なのか、理解出来るだろうか・・・。マイル(1600M)のタイムだが・・・ダートである。ダートのマイルで1分33秒3というタイムを出してしまった。しかも直線は余裕の馬なりだ。少し競馬をやっている人ならわかるだろう、このタイムがどれだけ怪物的なタイムかが・・・。芝のマイルGⅠ戦でも33秒台が出るのは決して不思議じゃない。『マイルCS』のレコードタイムは1分32秒6だ。ダートでこのタイムを出されては他の馬が勝てるわけがない。ちなみにダートマイルのGⅠ『フェブラリーS』の勝ちタイム平均は1分35秒台の後半だ。2秒以上速い。GⅢで準備運動のように走っていたタイムがGⅠレースよりも2秒以上速いんじゃ、敵うわけがない。ダートと芝のタイムがほぼ同じでは勝てるわけがない。1頭だけ芝で走ってるんじゃないかと疑ってしまう。これが史上最強馬と言われる所以だ。
『‘01年 ジャパンカップダート クロフネ』・・・このクロフネという怪物は、生涯で4度のレコードを記録している。デビュー戦とデビュー2戦目を連続レコード勝ちをおさめ、さらにダートデビュー戦となった武蔵野S、そしてこのダート初GⅠ戦となったJCD。勝ちタイム2分5秒9・・・。未だに信じられない。5年が経った今も、いや、むしろ5年経ったからこそ信じられないと言ったところか。2分6秒を切ってると言うことは、単純計算して2000Mを1分59秒台で走ってる計算になる。・・・芝じゃねーんだから・・・。ダート2000Mで2分切っちゃあ、もう勝ち目は無い。新設されて2度目のレースだった。新設なのでレコードが出るのは決して不思議じゃないが、そのタイムがあまりに凄かった。前年のタイムは2分7秒2だった。これだって決して遅いタイムじゃない。むしろ速めのタイムだ。これを1秒3更新・・・そして5年経った今でも2分6秒はおろか、7秒ですら切った勝ち馬は現れていない・・・。鮮烈・・・というよりはもう、言葉にならず、本当に純粋なサラブレッドなのか・・・?と疑ってしまう・・・それくらい恐ろしい強さだった。
『‘89年 ジャパンカップ ホーリックス』・・・おそらくレコードタイムという意味で最も有名なレースはこれだろう。ホーリックスとオグリキャップの壮絶なJC。そのタイムは・・・2分22秒2。当時の世界レコードであり、この記録は今後も破られることはないだろうと言われた驚愕のタイムだ。昨年、遂にこのレコードは破られたが、考えてもらいたい。1000Mを1分ペースだとして2000Mなら2分、2400Mなら2分24秒というタイムを基準に考える。勝ちタイムが2分23秒台なら2400Mとしては充分にハイペースと言っていい。平均ペースを2秒上回っている。そしてもう1つ、重要なことがある。オグリは連闘で挑んでいた。しかも前走は『マイルCS』だ。GⅠの連闘、さらにマイルから2400Mと距離差は実に800M。ホーリックスとの差はクビ差だったが、レース終了後は当然のように「マイルCSに使わなければ勝てた」という批判が相次いだ。オグリキャップは芦毛の怪物と言われ、皆に親しまれてきた馬だが、このような奇跡を幾度と無く見せ続けてきた。だからこそ今でも愛され、そして強かったと心に残る名馬なのだ。
さすがに第1回目ということで歴史に残る驚愕のタイム。それだけに紹介文が異常な程長くなってしまって、3つしか書けなかった・・・。でも、競馬を見てる人なら確実に覚えておいてもらいたい歴史的なレースです。近いうちにパート②に続きます。