俺の仕事場の同僚からの質問で・・・
「武豊ってあんだけ１番人気に乗りまくってるくせにあんまり勝ってなくね？みんな天才とか言ってるけど、ただいい馬に乗ってるだけだと思うんだけど・・・。」
という質問が寄せられました。
俺の考えを書くと・・・
武豊は天才です。おそらく日本競馬史上でも『福永洋一』か『武豊』か・・・と言ったところじゃないでしょうか。・・・あ、あと『野平祐二』か。
この質問をした彼はいわゆる『アンチ武豊』です。
まぁ、ぶっちゃけ俺もアンチ武豊です。ただ、これだけは認めざるを得ないですね。それだけ彼は凄いです。
ちなみに、今の日本で武豊と比べられる騎手は皆無でしょう。『横山典』、『福永』、『安藤勝』、『内田博』、『岩田康』・・・ここら辺はおそらく日本でも上位にくる実力がある騎手だと思いますけど、彼らも武豊と比べたら・・・人間です。安勝なら何とか対抗できるかもしれないけど・・・いや、無理だな・・・。
１番人気に武豊が乗る・・・という考えは捨てた方がいいかもしれません。
たしかにいい馬に乗ってることはたしかだけど、『武豊が乗ると１番人気になる』と考えた方が無難です。
武豊はオッズを大きく動かします。これも天才と呼ばれた福永洋一氏と同様。福永洋一・・・つまり福永祐一の父ですが、彼は馬と話が出来る騎手と言われていました。
誰が乗っても動かないのに、福永洋一が乗ると勝ってしまう・・・そんなことがしょっちゅう起こっていたからです。
『福永洋一が乗るからとりあえず買っとけ』
というのは俺よりもさらに古い競馬ファンの合言葉になってました。
武豊の凄さはまるで精密機械のように狂いが生じない腹時計、どんな馬のペースでも瞬時に読みきって、あらゆる展開を作り出すセンス、さらにさらに読み間違いがほとんどない追いのタイミング・・・と言ったところでしょうか。・・・あ、展開を読む上手さもあるな。
まず武豊が乗って脚を余すってのはあまり見たことないしね。１番人気に乗ってこれだから凄い。
１番人気の馬は勝って当たり前だと思ったら大間違い。むしろそれのプレッシャーの方がどれだけ大きいか・・・。１番人気で脚を余したりなんかしたらファンからは怒号の雨あられですからね。ノリ（横山）はよくやらかします。でも、だからと言って早めに出したら次はバテるし・・・何より１番人気は最もマークされるポジションにいるのに、尚且つ最も失敗の許されない騎乗が必要となるのですから。
武豊はその騎乗っぷりを買われ、あらゆる方面の調教師から騎乗以来がきます。
これだけ多くのいい馬に幾度と無く乗る・・・これだけで彼の凄さはわかると思います。
さらに年間２００勝は今や当たり前、年間ＧⅠ勝ちも当たり前・・・こんな騎手は他にいないでしょう。連対率は常に３割後半～４割近く、最近こそ若干の落ちが見受けられますが・・・。
武豊だって失敗することはあります。でも、毎年毎年彼の騎乗を見て・・・凄いな・・・やっぱ天才だな・・・と思うことは、多分失敗する数の何倍も多いと思います。
もちろん彼にだって歴史に残るような大ポカはありますよ。『ツインターボ抑え込み事件』とか『ホワイトマズル赤っ恥事件』とか『メジロマックイーン屈辱事件』・・・など。
でもそれ以上に恐るべき記録や記憶、伝説があの若さにして作られていますからね。差し引いても天才かと・・・。これだけわかってて買わない俺もどうかと思うんだが・・・。