「銀河鉄道の夜」と「春と修羅」 『こうしと親牛』

 

【 ”mental sketch modified”が象徴するもの 】

前回の記事で概ね次のように書いた。

銀河鉄道の夜からの引用

「ほんとうに、済みませんでした。今日はひるすぎうっかりしてこうしの柵をあけて置いたもんですから大将早速親牛のところへ行って半分ばかり呑んでしまいましてね……」

 

撮影 2022.11.10 嵐山モンキーパーク 画像と記事は関係ありません

 

【 「こうし」は未来仏・宮沢トシの象徴 】

上述の「Toshi ・ Defected ・ Milk man(トシ・逃げ出した・牛乳配達人)」の”Milk man” に少し解釈を加えてみる。”Milk”は数字だと"369(ミルク)"で表現できるので、これを「弥勒(369)」の象徴だと考える。「弥勒」とは未来に仏となることが約束されている菩薩だから、”Toshi ・ Defected ・ Milk man”は、「亡くなって天界へと帰って行った(Defected)・未来仏(Milk man)・宮沢トシ(Toshi)」の象徴になり得る。

 

撮影 2022.11.10 嵐山モンキーパーク 画像と記事は関係ありません

 

【 「親牛」はジョバンニのお父さんの象徴 】

以上から、春と修羅が示す「亡くなって天界へと帰って行った・未来仏・宮沢トシ」は、銀河鉄道の夜では、第九章で親牛に会うために牧場を抜け出した「こうし」の象徴となり得る。

では、「こうし(未来仏・宮沢トシ)」が会いに行った「親牛」は何の象徴なのか?が問題となるが、過去記事の措定を前提にすれば、銀河鉄道の夜は、ジョバンニのお父さん(キリスト教的にはイエス・キリスト、仏教的には日蓮大聖人)が、「らっこの上着(宮沢トシ)」を地上へ連れて還る物語なので、「こうし」が会いに行った親牛とは、イエス・キリスト/日蓮大聖人(つまりジョバンニのお父さん)の象徴だと考えられる。

 

宮沢賢治は漢字を使わず「こうし」とひらがなで書いたが、これに「光子」の漢字を当てはめてみる。イエス・キリストはエフェソの信徒への手紙 5章8節他で「光」として表現されており、日蓮大聖人は斬首時に光り物によって救命されており、光は両聖人の象徴となり得る。したがって「こうし(光子)」はイエス・キリスト/日蓮大聖人の子という意味を持ち得、銀河鉄道の夜の中ではらっこの上着(宮沢トシ)の象徴となり得る。

 

撮影 2022.11.10 嵐山モンキーパーク 画像と記事は関係ありません

 

結局、銀河鉄道の夜とは、「こうし(らっこの上着=亡くなった宮沢トシ)」が、「親牛(ジョバンニのお父さん=イエス・キリスト/日蓮大聖人)」に会いに行き、2人揃って銀河鉄道の汽車で地上へ帰還する話のように思える。