母 ストライキ その3 | こんな娘でごめんなさい

こんな娘でごめんなさい

            

末期癌の父を看取った後は、認知症の母の在宅介護を5年。
現在母は脳出血で入院中で、このまま病院で暮らすことになりそうです。
私自身も遅れてやってきた介護ダメージと戦いながら、日々新しい人生の準備中~。

また母がストライキを始めてしまった。


でも前回とは違う。


もう母には、まるで生気がないのだ。


ただひたすらTVの前に体育座りをして画面を眺めている。それも1日中。



私とは少し話をしてくれるけど、父の事は一切無視だ。



明日は父の通院で、ほぼ1日留守にしなくてはいけない。


母が何か変な事をしないか心配だ。



とりあえず、


『これ、せっかく明日1人で過ごせるから、よかったら食べて』


と、母が好きそうなお弁当を渡す(カツカレー)。



病気になってからというもの、父は、


『俺は明日をも知れぬ命だから』と贅沢三昧に好きなものを食べていた。


そして、父が残したものを、母や私が食べていた。特に母はそうだ。



だから、自分だけの為にわざわざ買って来たお弁当が貴重なものに思えたようで、


『私なんかが食べていいのかしら、もったいない』


と恐縮していたが、


『このくらい食べたって全然バチなんか当たらないよ。


お父さんがいたら食事ものどを通らなかっただろうから、明日はこれをゆっくり食べて』


と私は言った。



それにしても美味しそうなカツカレーだった。


私が食べたいくらいだ。


コンビニで見かけて、ハートをわしずかみにされてしまった。



お母さん、明日はゆっくり過ごしてね。