大人のための古典絵本 『うつくしきもの 枕草子』 | み~くまのひとり言

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み~くまです。こぐまが2匹のおかあさんです。
ファンタジー、ミステリー、古典、歴史物から児童書まで、本なら何でも大好き♪
本との一期一会・・・今日はどんな本と出合えるかな☆

桜の美しい季節になりましたね。
『春』といえば、「枕草子」でしょう。

春はあけぼの

ようよう白くなりゆく山際 少し明かりて

紫立ちたる雲の 細くたなびきたる


なんて美しい風景なんでしょう・・・

目を閉じて心の中に思い浮かべるだけで、うっとりしてしまいます。


美しい日本の風景を、美しい日本語で語る・・・

日本人であることが嬉しくなってしまいます。


そんな、清少納言が紡ぎだす美しい「言の葉」を、美しいイラストとともに楽しめる一冊をご紹介いたしましょう。



うつくしきもの 枕草子/清川 妙

¥1,680
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清少納言といえば、『源氏物語』の作者として知られる紫式部とともに、平安文学を代表する女性の一人です。


よく、「鼻持ちならない自信家」・・・などと酷評される方もいらっしゃいますが、こんなに美しい世界を織り上げられた方ですから、私は、さぞ素晴らしい女性だったのではないかと推察いたします。


平安時代・・・といえば、貴族文化華やかなりし時代。

女性の果たす役割も大変大きかったようです。


当時は、「招婿婚おひなさまといって、夫が妻の家へ通ってくるのが普通でした。強い権力を持っていて、かつ裕福な男性を婿にすることができれば、一族の繁栄は約束されたも同然。ですから、「知性」「芸術的センス」「美貌」の三拍子そろっているを育てることは、一族にとって死活問題でした。


しかし、そんなに都合よく三拍子そろった娘に恵まれるとは限りません。そのため、娘をより良く見せかけるために、優れた女官(女房)を娘の側に配する・・・これも大切なことでした。そうした時代背景から、当時、宮中に仕えていた女性達は、非常に知的で優秀だったと思われます。


その中でも、清少納言はピカ一キラキラだったわけです。


宮中の儀礼に通じ、古典から漢文まで幅広くそらんじており、和歌や絵画・歌舞音曲の能力にも優れ、香や十二単の色目あわせなどに必要不可欠な美的センスも兼ね備えている・・・


今風に言えば、スーパーレディー宝石赤ですね。


そうかと言って、ガリ勉ばかりで心の乾いた女性だったかというと、全くその逆。女性的で柔らかな感性に溢れ、周囲への心配りも細やか。まさに、清少納言は日本女性の鏡のような方だと思います。(要するに、私は清少納言が大好きなんですラブラブ



『枕草子』には、たくさんの現代語訳が出版されていますが、できれば、ぜひ原文で読んでいただきたいメラメラ

なぜならば、『枕草子』が持つ「音の響きの美しさ」は、原文を声に出して読んでみなければ分からないからです。

かといって、全文を自力で読み解いていくのはちょっと疲れてしまうかも・・・


その点でいえば、この本は最適だといえるでしょう。


紹介されている原文は、昔、教科書などで一度は目にしたことがあるような名文ばかりを19章段だけ抜粋されています。もちろん、よみ仮名や、おおまかな文意が添えられていますから、こまかな単語の意味がわからなくても、雰囲気を感じ取っていただくには十分です。また、おのでらえいこさんの描く美しいイラストが、華やかな平安の宮廷へといざなってくれます。

まさに、「大人のための『枕草子』絵本」というキャッチコピーにふさわしい内容です。


桜の花びらが舞う中、平安の王朝文化にふれてみてはいかがでしょう。


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