云いたいなぁ。
云えないの。
なんでもない なんでもない
たった一言が。
どうしてこんな 遠いんだろ?
あなた そこにいるのに
見えないんだよ。
気軽に云えたあの時を
もっと 大切にしていたなら
あの時あたしが
もっと 強く立っていたなら
まだ あなたの姿は見えましたか?
あなたに あたしが見えなくてもいいよ。
ただ 云えたなら
あなたに 云えたなら
きっとね―。
飛び出すことのない「 ○○○○。」が
血管をくるくる廻って
何度も 何度も 心臓を通る。
その度に あたしをやさしくしてくれる。
飛び出すことのないその音は
音になれなくて しあわせじゃない。
云いたいなぁ。
云えないの。
なんでもない「○○○○。」
云っちゃいけない「 ○○○○。」
飛び出せない「 ○○○○。」
廻り続ける「 ○○○○。」
サヨナラのあとの「 ○○○○。」
おーしおしずか