神話と日本 | 旗本退屈女のスクラップブック。

平成27年1月13日(火)

 産経新聞が、本年に入って、「海道東征をゆく 神武さまの国造り」という神話を連載し始めた。
 産経新聞は、これまで度々「神話」を連載してきた。
 これは実は、大変貴重な連載なのだ。
 
 そこで、我々と神話に関して思うことを書き留めておきたい。
 本日、これから大阪に出て、午後に東京に移動する。
 それで、慌ただしいが、いま書き留めておいた方がいい。
 明日になれば、忘れるかも知れないから(歳のせいだとは言うなかれ)。

 日本が日本であるのは、天皇と神社があるからだ。
 天皇陛下が都におられ、全国津々浦々に神社がある、だから日本は日本なのだ。
 
 西洋では、
 歴史を奪われた民族は滅びるという。
 民族を滅ぼしたいなら、その歴史を奪えという。
 その歴史とは神話のことである。

 それ故、七十年前の昭和二十年、
 我が国を軍事占領した連合軍総司令部(GHQ)は、我が国の神話を奪い、
 明治維新以来の我が国の歴史を「軍国主義」と断罪した。
 つまり、我が国の歴史を奪ったのだ。
 即ち、彼らは、我が国の歴史を奪い日本民族を滅ぼそうとした。
 
 戦後にGHQが我が国に仕掛けた教育と文化への干渉と改竄は、
 物理的破壊の次ぎに仕掛けられた、
 精神的な日本民族絶滅を目指した極めて悪逆非道な措置だったのだ。

 そして、彼らの思慮では、これで日本は滅び、二度と再び脅威とならないと判断した。

 しかし、それから七十年、
 逆に彼らの国は、移民や堕落(アメリカ)や暴力革命と腐敗(支那)で変容しても、
 我が国日本は現在も日本である。
 何故か、
 我が国には天皇がおられ津々浦々に神社があるからである。
 この天皇がおられ神社がある限り、
 我が国から歴史と神話を奪い得ないのである。
 
 天皇は、天照大神の直系の子孫で、
 津々浦々の神社は天照大神とつながる神々を祀るところだ。

 若いお母さんが、外へ行こうとねだる幼児を連れて近くの神社の森に行く。
 そして、社殿に手を合わす。この母の仕草を幼児は観ている。
 これは単なる仕草ではなく、日本の魂の姿だ。幼児は魂を観ているのだ。

 神話と我々日本人の関係をみたフランス人の言葉があるので、これを次ぎに紹介しておきたい(竹本忠雄著「大和心の鏡像」より)。

「われわれ西洋人にとっては、神話と歴史の間には、ぽっかりと深淵が開いている。
 日本の最大の魅力の一つは、これとは反対に、そこでは誰もが歴史とも神話とも密接な絆を結んでいられるという点にあるのだ。」(フランスの社会人類学者、クロード・レビィストローク)

「闇と沈黙のなか、女神アマテラスを聖櫃に奉じ、これに生絹を掛けて神官の群れが粛々と運んでいく。
 生きとし生けるものの起源そのもののシンボルが、いま、眼前を通りすぎていく。
 この景観に、われらの小我の殻など、微塵に吹っ飛んでしまう。」(フィガロ誌「伊勢の聖夜」、フランス人作家、オリビエ・ジェルマントマ)

西村眞悟の時事通信