左:宮本悠史 右:芝山大輔
宮本悠史
高田:先月に『チョコラチオ』から現コンビ名である『アストロNエース』に改名されましたよね。なぜそうコンビ名を改めようと?
宮本:親戚で言っていることがよく当たる、ちょっと第六感の優れた人がいてるんですけど、鳥取の実家に帰った時、その人たちと話す機会がありまして、コンビ名は何かと聞かれたので、「チョコラチオです」。と言おうとしたら、もうチョコ……まで言った瞬間に、改名しなさいと。
高田:かなり食い気味で?
宮本:はい。凄い勢いでした。
高田:『アストロNエース』というお名前は、どちらの発案なんでしょう?
芝山:僕ですね。何の名前にしようかなと四六時中考えてたんです。今のコンビになる前相方は『アストミンテン』、僕は『D・N・A』というコンビを組んでいまして、それを組み合わせられないかなと。それで『アスト』を最初に持ってきたんです。
高田:D・N・Aはどの辺りに入っているんでしょう?
芝山:カタカナの『ロ』って、アルファベットの『D』とよく似てるんで、それを『アスト』の後に持ってきまして、その次に『N』、そして『A』はエースに変換できるんで、それを全てつなげると『アストロNエース』になるんです。
高田:なるほど、そういう理由があった訳ですね。『チョコラチオ』としての活動期間は?
宮本:4ヶ月ほどですね。
高田:チョコラチオ時代の成果を教えてください。
芝山:最初はtryワラbに受かったりと順調だったんですけど、その後いろいろとややこしい問題が発生しまして、歯車がかみ合わなくなってきたんですよ。モチベーションも下がってきていましたし、それでこのままではあかんというのもあったんで改名したんです。
高田:改名されたことで、そういう問題は解決しましたか?
芝山:モチベーションは上がるようになりましたね。ただ、こないだの『NSC道場』ではワーストの下位十組でしたね。
宮本:相方は、三十分に一回の頻度で「NSC道場がワーストだった」と口にしますので、気を付けて下さい。
高田:わかりました。では三十分以内にインタビューを終われるように頑張ります(笑)。宮本さんのブログ『~ままごと旅館の逆襲~』
を拝見しているんですけど、8月31日の記事『チョコラチオと呼ばれた男』
で、「とにかく不調だ」とうようなことを書かれていましたよね?
宮本:ああブログ
ですか。あれはね。酒を飲んだ後にいつも書いているんですよ。だからある意味、適当です(笑)。
高田:まじめな文面だったので、てっきり素面の時に書かれていたのだと思っておりました。
宮本:なんか、すいません。
高田:いえいえ、コンビ結成に当たってどちらから「組もうよ」と声を掛けられたんでしょう?
芝山:僕からですね。元々、よくしゃべっていたんですけど、それでどうせやったら話してて面白いやつがいいなと思ったんです。あとラジオで話すこととかを想定した時にやっぱり話しやすさでいえば宮本やなと。
高田:当然、宮本さんに芸人としての魅力も感じてらっしゃったわけですよね。
芝山:そうですね。宮本を傍から見てて、“面白いのに評価されてない”と感じていました。彼はしばらくピンでやってたりというのも見ていたんですけど、ピンのネタも面白かったんです。
高田:宮本さんは芝山さんに誘われた時、どんなお気持ちでした?
宮本:びっくりしましたね。まず僕でいいのかなと思いました。その時、ワッハ上方でインディーズライブをやってたんです。それが終わって、下まで降りたんですけど、エレベーターのドアが開いた瞬間、いきなり「俺とコンビ組んでくれ」って言われたんです。
高田:突然、愛の告白みたいな?
宮本:本当にそんな感じですよね。
芝山:実はね。一度失敗してるんです。
高田:といいますと?
芝山:ドアが開いた瞬間「コンビ組んでくれ」って言ったんですけど、顔を上げたら『ザ・ワールド』の中立さんでした(笑)。
高田:次のエレベーターで、宮本さんが下りてこられたんですね。
芝山:はい。一回、間違えたんです。
宮本:まさかコンビ結成直前にそんな恥ずかしいことがあったとは知らなかったです(笑)。初耳ですね。
高田:お二人は先輩後輩のコンビなんですよね?
芝山:はい。僕がNSCの28期で、宮本が30期ですね。
高田:正直なところ、後輩なんで気を使ってしまうとか、そういうことってないんでしょうか?
宮本:むしろ逆なんです。ちょっと変わっていると言われるかもしれないですけど、僕は対等な関係が苦手なんですよ。
高田:それは昔からですか?
宮本:はい。小中高とどうやって同級生に接していいのか、ずっとわかりませんでした。
高田:お友達はいらっしゃいましたか?
宮本:二、三人の決まった人たちと一緒にいることが多かったですね。ただ、その人たちとも休日に遊ぶということはなかったです。
高田:芝山さんはどんな学生時代を過ごしてらっしゃったんですか?
芝山:中学校時代はなぜか先輩たちから、目をつけられたりすることが多かったです。
高田:不良だったんですか?
芝山:そういう訳でもないんです。自分でもよくわからないんですよ。僕はテニス部だったんですけど、そういう時でもみんな私語をしているのに、僕だけ怒られるみたいな。恐らく僕を怒ることで、他の生徒を威圧しようという意図があったんだと思うんですが。
宮本:あと、大学時代に珍しい目に合ってるんですよね?
芝山:そうそう。高校で推薦をもらってある大学に行ったんです。授業でパソコンを使うこととかが多かったんですけど、周囲についていけなかったんですね。で「あいつはパソコンの話もできひんし、イジメようぜ」みたいな流れになっていったんです。
高田:陰湿ですね。
芝山:その大学はちょっと変わってましたね。眼鏡をかけたオタクっぽい子がいじめられたりすることはあると思うんですけど、そこは逆にオタクっぽい子ばかりが入学してくる所だったんで、頭を金髪にして、いきがってる人間がイジメのターゲットにされたりするんです。
高田:そこでイジメの標的になってしまった?
芝山:はい。ある日、大学でパソコンを起動させたら、僕の打ち込んだ文章をパックマンみたいなヤツが食べだしたんです。
高田:何が起こったんですか?
芝山:実は事前に誰かが、僕が使うであろうパソコンにフロッピーディスクを入れておいたんです。その中にウイルスが入っていて、僕の打ち込んだものを食べるようにプログラミングされていたんですね。
高田:何だかそういうコンピューター系の大学ならではイジメですよね。
芝山:もう最悪でしたね。レポートで出さないといけない大事な文章だったんですけど、どうすることもできませんでした。
高田:それは犯人が特定できたんですか?
芝山:後でわかったんですけど、その時ずっと親身になってくれて、僕に優しくしてくれていた人間の犯行でした。
高田:まさかの裏切りですよね。
芝山:はい。大どんでん返しでした。
高田:この辺りでネタのことについてお聞きしたいと思います。まずネタはどちらが考えられているんでしょう?
宮本:基本的に二人で考えています。
高田:お二人ともネタを考えられるというのは強みですよね。
芝山:そうですね。いろんなバリエーションが生まれるのがいいです。ひとつのネタを考える時でも、二人でいろんな設定を考えるんです。
高田:それはかなりの数になるんですか?
芝山:二百ぐらいになる時もありますね。でその中から一番いいものを選んで作っていくというやり方ですね。
高田:月に何本、新ネタを作ろうとかノルマは課してらっしゃいますか?
宮本:大体、一週間に一本は作るようにしています。
高田:それはまたハイペースですね。どれくらいストックがあるんですか?
芝山:25本くらいはあると思います。
高田:コント主体でやられていますが、漫才をやってみようというお考えは?
芝山:新しいコンビなんで、いろんなことに挑戦したいという思いはあります。ただコントにしても、もっと掘らなあかん部分がたくさんあるんで,今はそちらの方を中心にやりたいですね。