実は米アカデミー賞授賞式があった日の晩に観に行ってきました。
決して人が入っていなかったわけではないんですが、大阪ですら“そこそこ”の客入りだったことにちょっと衝撃はありました。
●祝作品賞!「シェイプ・オブ・ウォーター」の感想。
シェイプ・オブ・ウォーター
を観てきました。
公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/shapeofwater/
米アカデミー賞2018の作品賞受賞作。
ギレルモ・デルトロ監督の最新作です。
嫌いなわけではないですが、わたしはそこまでギレルモ・デル・トロ作品に特段魅かれる・・・という感じも
なかったので、期待はそこそこでございました。
観てきた感想をざっくり一言で言うと
そこそこ
という予想通りの按配に。
もうちょっと詳しい感想を書いていきます。
●見た目も物語も奇怪なラブストーリー!
映画を観ている最中、
なんぞこれ
と何度心の中で叫んだか分からないぐらいの珍作。
本当に半魚人とのラブストーリーが、ロマンティックに描かれているのですよ、この映画。
この2人のラブストーリーとなっております。「美女と野獣」ならぬ海獣。
見た目はグロいわ、意思疎通ができそうにも思えないわ、なんなら〇〇を丸かじりしちゃうわ、で全くもって気持ち悪いという感想ばかりが出てきてしまう、半魚人。で、そんな半魚人と恋愛的な感情にまで踏み込んでいってしまうサリー・ホーキンス。
全然共感できません。
って感じではあったのですが・・・
映画を観ていくと不思議と共感ゼロじゃなくなってくる瞬間があるのですよね。
むしろ、あ、恋愛している時の感覚ってこんな感じだよね・・・ってシーンがしっかりあるのです。
もうそれだけでも脅威です。あのキモイ魚人との恋愛に共感させる瞬間を僅かでも感じさせた時点で、この映画すごいと思います。普通は体験できない共感が感じられただけでもこの映画は一つ“勝ち”ですよね。
キモいって言ってごめんな。そういう感情が差別につながるわけでございますが、そこはしっかり抑えていきましょう。
●「美女と野獣」のカウンター作としては・・・
ギレルモ・デル・トロ監督が直接名を挙げて好きではないと言っている作品として「美女と野獣」がありまして、まさに本作は「美女と野獣」のカウンター作品という側面も「シェイプ・オブ・ウォーター」があるわけですが・・・個人的にはそのラインにはすでに「シュレック」という金字塔があると私は思っております。
あのノリや見せ方の塩梅がベストな身には「シェイプ・オブ・ウォーター」って悪趣味性が濃過ぎて時々引く瞬間が多いのですよね。ある意味そのぶっ飛び具合が最高なんだけど、私には完璧にマッチするセンスではないのかなー・・・と改めて感じた次第でございます。
ちなみに「シュレック」のスピンオフ作品、「長ぐつをはいたネコ」はギレルモ・デル・トロ監督が製作総指揮に名を連ねる一作。こちらもなかなか面白い一作ですので、おすすめです。まぁ、「シェイプ・オブ・ウォーター」とは全然関係ない情報でした。
あまりの異色作っぷりに考えれば考えるほど今作がアカデミー賞作品賞はすごいと思うのですけど、決してマイナスな意味で意外に感じるような作品ではなかったです。しっかり面白いですしね。
いろんな映画をフィーチャーしているとこなんかはアカデミー賞好みなポイントなのかなーとは思いました。(元ネタ全然わかんなかったですが)
ギレルモ・デル・トロの怪物の館 映画・創作ノート・コレクションの内なる世界
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