いやぁ・・・楽しかったですよ、ホント。
アウトレイジ最終章
を観てきました。
公式サイト:http://outrage-movie.jp/
北野武監督による「アウトレイジ」シリーズ第3作目にして、完結編。前作に引き続き、日本映画界の強面達が集結しています。
本作を観てきた感想をあえてざっくり一言で言うと
うっとりしちゃうぐらいの傑作
と言う感じでした。
もう少し詳しい感想を書いていきます。
●最終章にふさわしい締めの映画!
いやー・・・見事でした。
「アウトレイジ」、「アウトレイジビヨンド」とビートたけし演じる主人公・大友の心境の変化が最終的にどういう境地に行きつくのか・・・。その答えを見せてくれる映画が今作「アウトレイジ最終章」でした。
地位やお金を目的にそれぞれの思惑が交差し殺し合いになっていたアウトレイジシリーズでしたが、今作では明らかに大友とその他の人達の殺しのルールが明確に異なることが際立っております。これまでは特に残酷でユーモアのある殺し方をしてきた殺人マシーン大友でしたが、そんな大友こそ一本筋の通った生き方をしていて、その姿に今回は愚かさとカッコよさを同時に感じさせるような映画となっておりました。
大友が映画の最後で殺しを行う相手、さらに言えば、最後のある銃弾は切ないのですよ。
●ぶっ殺しエンターテイメントとしても魅力的
また今回も「1」ほどではないもののユニークな殺し方や魅せる殺し方が、数よりも質でいくつか登場。不道徳ながらも殺しのシーンも「アウトレイジ」シリーズの魅力でして、怖いけどついつい観ちゃう不思議な力があります。
怖いおじさん達大集合。「皆さんにはこれから殺し合いをしてもらいます。」
先ほどは大友の生き方に愚かさとカッコよさを同時に感じさせると書きかましたが、「アウトレイジ」の殺しは、笑いと恐怖が同時に並んだカレーライス。その2つを同時に味わってこそ、絶妙な味わいになる映画となっております。
中盤、あるシーンで体力虐殺するシーンがあるんですが、最早あのシーンはギャグなんじゃないかってぐらい、笑えちゃう仕組みになっているんですよね。それまでめっちゃ凄んでいたあるキャラクターが、そこだけは思いっきり情けない顔をしたりする感じ・・・・・・あれも大好きです。
●「えっここで終わり!?」は相変わらずですが・・・
絶賛寄りの感想になっていますが、実は映画を観た直後は「えっここで終わりなんだ・・・」という物足りなさを感じたのも事実。実は「アウトレイジビヨンド」の時も同じで、思ってもいなかったところで映画がブツッと終わってしまうのですよ。
ただ、
今回に限っては改めて考えなおしてみると、結構綺麗な終わり方だったんじゃないかなぁとも後から反芻してみてしみじみ思う次第。映画の最後まで、いくつかのキャラクターは生き残っており、このあたりの人たちは綺麗には片づけないんだ・・・と若干不満にも思いました。ですが、そんな彼らも作中で実力不足や愚かな部分が描かれていて、決して明るい未来が残っているとは思えない作りにもなっているのですよね。ある勢力に関しては、グループを継続していくのに必要な能力を持った人材をことごとく失っているようにも見えるのが面白いところです。
続編を作ろうと思えば作れるんでしょうが、やっぱり「アウトレイジ最終章」は最終章と付いているだけあるゲームオーバー的な着地をしっかり見せている作品に思います。
大きな勢力が綺麗さぱり“消える”なんてことこそフィクションですからね。花菱なんて冒頭からいつの間にか会長変わってます。
今回は「1」みたいな歯医者のトラウマ描写や残酷ラーメンみたいなエグい描写も控えめになっておりまして、刺激が強すぎるんじゃないかとハラハラしている人も、多少の覚悟があれば問題なく楽しめるラインに乗っていると思います。
今までのシリーズを観ておくことが割と重要な映画ではありますが、その条件を満たしている人には激オススメの映画です。
そして観ていないという人も今から「1」から追っていく価値のある映画と思いますので、今から条件を満たすことも激オススメしておきます!
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